糖尿病,2型糖尿病,2DM
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 COVID-19(新型コロナウイルス感染症)と共存せざるを得ない時代になった。

 重症化リスクが高い2型糖尿病(2DM)の方は心労が絶えないが、きちんと血糖をコントロールすれば、万が一感染しても重症化リスクを抑えることができそうだ。

 中国・湖北省からの報告。

 同報告では湖北省の19病院に入院したCOVID-19患者を対象に、血糖と治療成績との関係を調べている。

 対象患者は18歳以上~75歳未満の7337人で、このうち2DMの既往がある患者は952人(男性510人)だった。ここから低血糖の症状を呈していた患者を除き、血糖コントロール良好群(中央値115mg/dL:94~135mg/dL)から250人、同じく不良群(同196mg/dL:136~257mg/dL)から250人を選び、同じような背景を持つ患者同士で1対1の比較解析を行っている(mmol/Lから換算)。

 その結果、2DMと非2DMでは各メディアが報じているように、2DM患者のほうが肺炎に進行しやすく、免疫の暴走で重症化しやすいことが示された。当然、治験薬や抗菌薬の大量投与、あるいは人工呼吸器の装着など「救命」のための介入も増加している。

 その一方で2DM患者同士を比較した結果、血糖コントロール良好群は、不良群よりも薬を投与する頻度が有意に少なく、普通の酸素吸入や気管切開を含む人工呼吸器が必要になる確率も低かった。もちろん、話題のECMO(体外式膜型人工肺)につながれる確率も低かったのである。

 最終的に、血糖コントロール良好群の死亡率は1.1%にとどまったが、不良群の死亡率は11%と10倍もの差がついてしまった。ちなみに2DM全体の死亡率は7.8%だった。

 研究者は「2DM患者は感染予防措置を徹底し、これまでにも増して注意深く血糖をコントロールすること、また万が一感染した場合は、COVID-19の治療とともに血糖を適切な値に維持する必要がある」としている。

 コロナの時代では血糖管理が生死を分けると肝に銘じておこう。

(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)