企業は損益が黒字であっても資金繰りがつかなくなれば、倒産する。資金繰りに大きく影響するのが手持ちの現金と在庫の水準だ。特集『銀行融資先危険度ランキング』(全7回)の#3では、現預金の1年以内に返済期限が来る債務に対する比率による資金繰り危険度ランキングと、棚卸資産(在庫)回転日数による在庫過剰度ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
短期の債務に対する手持ちの現金の比率
低ければ借り入れ増につながる公算大きい
企業の業績が下降基調に転じると、手元に入ってくる現金も減少する。それでも日々のビジネスに必要な費用の支払いや借入金の返済の期日は迫ってくる。
コロナ禍による経済活動の停滞で急激な売り上げ減に見舞われる中、多くの企業が銀行からの借り入れを増やしたり、借入枠を増額したりと、手持ちの現金を確保することに奔走している。
ただ、手持ちの現金がもともと十分にあれば金融機関からの資金調達に依存しなくても当座をしのぐことができる。逆に、手持ちの現金が乏しければ借り入れなどに頼らざるを得ないことになる。
そこで、決算期末の現預金に対する流動負債(1年以内に決済期限が来る債務)の比率でランキングを作成した。
加えて、流動負債の代表的な項目である買い入れ債務(材料費や商品の仕入れ費の掛け払い分)と短期有利子負債(1年以内に返済や償還期限が来る借入金や社債などの合計額)に対する比率も掲載した。