1.従業員個々の感染予防に関する知識と行動

 従業員から感染者を出さない――。これを100%実現するのは難しいですが、会社の危機管理担当部門は、感染防止のための努力を惜しまず行う必要があります。

 まず感染を防ぐための以下の3原則を、多層防御として全て実施していただきたいと思います。

a.感染源を排除する
b.感染経路を遮断する
c.感染を受けにくくする

《a.感染源を排除する》とは、(1)感染が発生しているエリアに近づかないこと、(2)感染者と濃厚接触しないこと(3密回避)、(3)ウイルスが付着している恐れのあるものは、袋に入れて廃棄すること。

 大規模な集会やイベントへの参加を控えることはもちろん、可能な限り都心のオフィスに出勤せず、極力公共交通機関を利用せず、自宅でテレワークを行うことを従業員に推奨します。

《b.感染経路を遮断する》ためには、(1)社会的距離(1.5m ~2m)を保つこと、あるいはマスクを着用すること、(2)手洗いをすること、(3)ウイルスが付着している恐れのある場所を消毒すること。

 不特定多数が接触するドアノブや電話機、会議机、椅子などの頻繁な消毒が必要です。

《c.感染を受けにくくする》とは、従業員一人一人の免疫力を上げておくということです。非常に基本的で当たり前のことですが、十分な栄養とバランスがとれた食事、十分な睡眠とストレスを避けることが免疫力を低下させない、重篤化を防ぐ条件となります。

 これらを踏まえ、感染予防を行う行為として、以下を従業員に教育・周知徹底してください。正しい感染予防の知識を身に付けている人に感染が少ないという研究結果があります。

(1)感染拡大に関する信頼できる最新情報を集め、常に感染予防に心がける
(2)不特定多数の人が集まる場所、3密になる場所を避ける
(3)20秒以上の手洗いを慣行する
(4)正しいマスク着用を行い、不特定多数の人が接触したものに触れた手で自分の口や鼻、目をさわらない
(5)栄養のバランスが取れた食事、十分な睡眠、ストレス回避で免疫力を保つ