さて、注目の大賞は?

自己紹介も、
言葉しだいで
営業ツール。

浅村ゆうみ

「超言葉術」の第1章は「自己紹介をしてみよう」です。その部分に着目して、「営業職」の方に向けて届けようとする浅村さんのコピーです。
コピーを仕上げる時に、言葉を聞いた時のキレ味を増すために、いつも、より短くより強くできないかと考えています。
 その視点で見ると、「言葉しだいで」を取り、「自己紹介も、営業ツール。」と磨けると感じました。自己紹介に「営業ツール」という意味付けをしてくれたことで、営業職の方だけではなく、より良い自己紹介をすることで、受け身にならず、みずから仕事をつくりたい、自分を売り込みたいと思っている方にも届いていきそうだと想像できました。(阿部)

 まず「営業マン」にターゲットを絞り込んでいるのが見事ですね。そうなんです。ビジネス書の読者はビジネスマンだし、その中でも最も多いのが営業職でしょう。そして営業マンにとって、得意先に名前を覚えてもらうことは仕事の第一歩です。そんな人に、「この本は自分の仕事に役立つ」ということが端的に伝わります。
 これはなぜかというと、「自己紹介」や「営業ツール」という具体的な言葉を使っているからなんですね。皆さん、コピーをつける対象の持ち味を噛み砕いて、「抽象化」することははよくできています。しかしそこで終わらないで、さらにその先の「具体化」まで持っていけると、そのコピーを見た人の頭の中でイメージがわっと広がります。浅村さんは考えに考えて、やっとここまでたどり着いたのでしょう。考える量が多くないと、なかなかここまでは辿り着けないと思います。
 ただ阿部さんと同じく、2行目の「言葉しだいで」はいらないですね。なくても伝わります。コピーは簡潔な方が心に残るのです。

 ということで…。

<大賞>

自己紹介も、
営業ツール。

浅村ゆうみ

 添削された作品が大賞というのもちょっとずるい気もしますが(笑)、しかしこのキャッチコピーはお世辞抜きで本当に素晴らしい。もう立派にプロのレベルです。機会があれば広告とかでぜひ使ってみたいです。(亀井)

 同じ一冊の本でも、書く人によってまったく違うコピーになる。改めて言葉を企画することはおもしろいと感じました。そのもの自体の魅力を見つけ、届けたい相手にどう伝えれば振り向いてもらえるか? 大変だけど、伝わった時の喜びは大きくて、やり甲斐があります。この記事を読んでくださったあなたはどのコピーが好きでした? あなたならどんなコピーを書きますか? SNSでぜひ僕に話しかけてもらえたら嬉しいです。(阿部)

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