新型コロナで変わった生活
見直されるヨーグルト
新型コロナウイルスの感染者数は徐々に減少していますが、完全に終息したわけではありません。第2波、第3波の襲来に備えて、医療体制の整備と自治体の機動力の立て直しが急がれます。
私たちの生活もずいぶんと変わりました。働き方改革が一気に進められました。在宅ワークの機会も増え、それに伴い運動不足になりがちです。単身赴任、1人暮らし世帯の場合は食生活の変化もありますし、アルコール摂取量の増加など、もしかしたらストレスを感じる場面が増えた方も多いのではないかと思います。改めて日常生活を真摯に見つめることが求められています。
最近、運動不足の解消と、感染症に備えた自己免疫力の強化に対する注目度が高まり、乳酸菌を多く含むヨーグルトが見直されています。
乳酸菌は、糖を質化して多量の乳酸を作る細菌のことで、ヨーグルト、チーズ、漬物などの製造に欠かせません。以前は、乳酸菌の分類が明確ではありませんでした。しかし、近年の遺伝子解析の進化によって、乳酸菌のDNA塩基配列の違いが解明され、今では乳酸菌は30種くらいに分類されています。
ヨーグルト製造用の乳酸菌は、「ブルガリア菌」「サーモフィルス菌」「ラクティス菌」の3種類が世界的に知られています。ブルガリア菌はその名が示すように、もともとヨーロッパのブルガリア地方にのみ生息し、他の地域にはほとんど存在しない特殊な乳酸菌です。
国際食品規格によれば、ブルガリア菌とサーモフィルス菌を用いて発酵させたものだけが「ヨーグルト」と呼んでよいことになっています。ブルガリア地方で伝統的に受け継がれてきた酸乳(牛乳などを乳酸発酵させた飲料)からつくられたものだけが、正式な「ヨーグルト」となるわけです。
スーパーやデパ地下の食品売り場で乳製品の棚に行き、乳製品を手に取ってみるとわかりますが、「ヨーグルト」との表記はまず見当たりません。ほとんどの製品が「はっ酵乳」という表示になっているはずです。「はっ酵乳」とは、乳を乳酸菌で発酵させたものを意味します。