11日間の連続イベントで疲労困憊?

藤田:「NoMaps」は2015年からスタートして、これまで4年間続いています。手応えはいかがでしょうか。

廣瀬:初年度はプレイベントの位置づけでしたから、本格開催は3年ですが、正直に言うと、今も試行錯誤を続けています。いろいろな施策を試しては学ぶ、というサイクルを繰り返しているんです。例えば1年目は、開催期間を11日間も設けていたんですよ。

河原:11日間!

廣瀬:何を思ったか11日間もやっちゃって(笑)。案の定、疲れ果てて、次の年からは5日間になりました。そんな失敗(?)から学びながら、2018年と2019年はそれぞれおよそ2万2500人の参加者が集まるようになっています。

 私は来場者数より、イベントを通してどれくらい人々が「NoMaps」の取り組みにコミットしてくれたか、あるいはイベントで新しい挑戦ができたか、ということに関心を持っています。そして今のところ、札幌市や北海道に新しい刺激をもたらすことができたかなと自負しています。

河原:毎年、どんなテーマを掲げているんですか。

廣瀬:「街に未来をインストール」といったキャッチコピーは掲げていますが、それ以上の具体的なテーマはあまり設定していないんです。テーマを固めてしまうと、逆にそれに縛られてしまう可能性があるので。

北海道の大規模カンファレンス「NoMaps」大成功のワケ(前編)

 プレ開催は、「サウス・バイ・サウスウエスト」をイメージして、映画祭もあり、音楽もあり、ITもありといった、盛りだくさんのイベントであることを強調しました。ただ、結果を検証してみると、一方的に主催者側から情報を発信するだけのスタイルは、ちょっと違うなとなりました。

 そこで2年目の本格開催年からは、ビジネスコンベンション路線に振って、カンファレンス中心にしました。狙いは、参加者の交流を増やすこと。しっかりと展示を増やし、交流をイベントの中心に据えたわけです。

藤田:2年目から、よりコミュニティ路線に振った、と。