「信頼は良し、検査はなお良し」という気質

――お気の毒です……。

 一つ思うのは、ドイツ人はきちんと監視しようとするんですよね。メルケルさんを誇りに思いつつも、人々は自治体を監視し必要があれば行動する。

 ドイツでは「Vertrauen ist gut,aber Kontrolle ist besser.(信頼は良し、検査はなお良し)」ということわざがあって、それがドイツ人の気質そのままを表しているなと思います。政府や大企業を信頼しているけれど、厳しい視点も持つ。(政府が失策を犯したときに)大事な家族を守れるのは自分自身だという。だから、デモなど主体的な行動に移す人が多いのだと思います。

――市民活動が盛んなのですか?

 そう思います。実際、ドイツの環境政策って原点は市民活動がほとんどです。有機農業を進めるためのコミュニティーを作って、自分たちでリサーチ研究所を作って、公的資金を調達するとか本格的にやっているところが多いです。

 ちなみにオーガニックって、日本だと「安心安全だから」「自分や家族の健康のため」に選ぶ人が多いというアンケート結果もあるのですが、ドイツの場合は「社会や地域の農家を守るため」「環境保護のため」「次世代を守る有機農業を応援したい」という声が多いんです。オーガニックに関する考え方が根本的に違います。