オンラインイベント独特の良さもある
藤田:新型コロナウイルスの影響で、イベントのオンライン化が急激に進みました。オンライン時代におけるコミュニティづくりも変わってくるのでしょうか。
小島:いくつかの変化があると思っています。もともとコミュニティに必要だった「コンテキストファースト」、つまりどういう「場」であるかを参加者が理解しているということ。そして「アウトプットファースト」、つまり「これがいいよ」「やめたほうがいいよ」という情報が出ること。
このコンテキストファーストとアウトプットファーストは、これまで以上に重要になって来ると思います。なぜなら、参加者の熱気は伝わりやすいし、方向づけもやりやすかった「オフラインファースト」な運営が難しくなってくるからです。
リアルで会う方が熱は伝わりやすい。それを補うためにコンテキストをきちんとしようとか、ファーストピンの存在とどのように信頼関係をつくるのかとか、考える必要が出てきています。
オンラインでありながら、コミュニティ運営者とファーストピン、さらにはファーストピンとコミュニティ参加者、そしてコミュニティの運営者と参加者がどう信頼関係を築くか、つまり「トラストファースト」が改めて大切なテーマとなっています。
一方で、最近ではオンラインの良さもたくさんあることがわかってきました。例えば、沖縄の人と北海道の人を簡単に合わせられるのは、オンラインの時代ならではでしょう。オフラインの深さは得られなくても、オンラインの速さを活用するスタンスが必要ですね。
河原:確かに、コンテキストの共有精度の高さという点では、リアルはその場の空気でごまかすことができていました。