1つ目は、「自分が一番力を発揮できる環境を作る」ことです。具体的には、自分にとってベストな時間帯や家族との関係性、物理的な執務環境づくりを指します。「この仕事はこの時間にやろう」など、さまざまな選択肢からベストな環境を選んで仕事をするようにしましょう。

 2つ目は、仕事の「目的・目標」を意識することです。テレワーク下では、プロセスを示すだけでは仕事をしているとは言いがたくなっています。所属部署の役割や目的、自分の職種において何を仕事とするか、それに向けてどんな目標を置くか、はたまたどう成長を遂げたいのか。そうしたことを上司と事前に確認することがより重要になるでしょう。

 目標設定の際は、「must」「can」「will」の3つの接点を見いだすことをお勧めします。会社が目指している方向性「must」を理解する(これを“Visionを意識する”と表現する人もいます)。自分自身のスキルや経験から持ち味として力を発揮できる部分「can」は何かを考える。こういう状態だとエネルギーが注げる、こんなことができるといいなという「will」を持つ。この3つの接点から目標を設定すると、会社にとっても、社員であるあなたにとっても、よい結果と成長をもたらすはずです。

(2)社外とのコミュニケーション

 コロナ禍での自粛期間中は、オンラインセミナーなども多数開催され、社外のさまざまな人とつながりやすくなりました。実際に、オンラインでのセミナーや勉強会に参加して、オンラインの世界のスピード感や気軽さに驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 私の知り合いのある企業はオンラインセミナーを実施したところ、なんと500人もの人が集まったといいます。しかし、準備にかけた期間はわずか2週間ほど。これまで500人規模のセミナーを行うなら、半年ほど準備にかかったのではないでしょうか。

 これからは、新しい技術も使いながら社内外の枠を超えて、さまざまな人たちとコラボレーションする力が求められます。そうしたなかで、気軽にそうした場に行く人とそうでない人の差はどんどん広がるはずです。オンラインの環境だと、オフラインよりも対人の“圧”が少し減るので、参加しやすいという声もあります。これまで人見知りで参加をためらっていた人でも一歩踏み出せば、飛躍するチャンスになるのではないでしょうか。

 社外の違う環境にいる人たちの話を聞き、つながる機会を生かし、自分の仕事にどう役立てられるかを考えてみましょう。加えて、そこで出会っただれかとつながり、一緒に仕事をするには、自分が何者か、何ができるかを、ほかの人に知ってもらうことも大事でしょう。自分の経験や専門性をわかりやすく紹介できるように心がけるといいと思います。