チームは「8人」が限界

Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏の「2枚のピザ理論」という考えがあります。

チームの仕事を効率的に行うのに適切な人数は、ピザ2枚でまかなえる人数。つまり、5~8人程度の人数。10人を超えると、相互の意思疎通が希薄になり、仲間割れがおきる、派閥に分かれるなど、チームワークが破綻する可能性が高いのです。

「ピザ2枚で空腹を満たすことができない人数で会議をしてはならない。」
 ―― ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)

「すべての職場は人間関係がよくない」と書きましたが、例外もあります。8人以下の職場であれば、「全員と仲良し」ということは、十分にありえます。

私の経験でも、外来部門だけだと、医師、看護師、事務員で5、6人ほどのチームとなりますから、全員と意思疎通ができてとても仕事がしやすいというところもありました。

中小企業や、小さな部署、自分が所属する5~8人以下のチームなど「小グループ」であれば、コミュニケーションがとりやすく、関係性が密になりやすいのです。ですから、それ以上の人数がいる組織では、「全員と仲良くしよう」という発想に無理があります。

あなたのことを嫌う人もいるのは当然。あなたが、好きになれない人がいるのも、実に当然の話です。

逆に言うと、「会社全体の人間関係」が悪かったとしても、あなたの所属する5~8人程度のチーム内で、コミュニケーションがとれていて、まずまずの人間関係ができていれば、仕事上、大きな支障にはなりません。そして、それは個人の努力でも、ある程度は実現可能なはずです。

樺沢紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
最新刊は『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)。シリーズ70万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)をはじめ、16万部『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、10万部『神・時間術』(大和書房)など、30冊以上の著書がある。

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