1ミリの階段こそがゴールへの最短距離

 世界には結構たくさん成功者がいます。そういう人たちの中で目立つのは、まるでひたすら上昇カーブを描くグラフを飛び上がっていくような人です。でも、不動産営業みたいな泥臭い商売の世界や、中小零細企業経営者の中で生きていると「階段を昇るように順を踏んで成功していく人」なんて実はほとんどいやしないことがわかってきます。

 高さ1ミリの階段を1000段昇ったら、不意に上昇気流が吹いてきて1000メートルの崖を飛び上がった。そんな話はいくらでもあります。もちろん、逆のパターンもあります。ずっと続くなだらかな階段を昇るような人生を生きてきた人が、突然1000メートルの崖を転げ落ちる。そういったものを、僕はたくさん見てきました。

 では、高さ1ミリ、1000段の階段に意味はないのか。それは単なる無為な待機期間に過ぎないのか。そんなことは決してありません。非現実的な一発逆転マインドを排除し、日々を地道に積み上げるチャンスを探す精神を失わない。ゴールの見えない道をそれでも次のチャンスを求めて歩く。これは、一見迂遠なようでいて「再起」への最短の道のりなのです。

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