コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じています。
 ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまいます。
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相手の感情は、相手の問題

「人から嫌われないようにしよう」という努力は、99%無駄です。
なぜならば、他人は簡単に変えられないからです。Aさんが、あなたを「好き」と思うか「嫌い」と思うのかは、Aさんの感情であり、Aさんの意思が決めることです。あなたのコントロールできる範囲外にあります。

それにもかかわらず、実際問題として、「自分が変わる」ことを通して、相手の「好き」や「嫌い」を多少変化させることもできなくはありません。実際、本章の後半ではその方法を紹介しますが、それには「時間」と「労力」が必要です。一朝一夕ではできないと思ったほうがいいでしょう。

ですから、他人の感情は、自分ではコントロールできない、相手が自分を「嫌っている」かどうかを心配しても意味がないということを、しっかりと理解しましょう。

それではどうしたらいいのかというと、「自己変化」「自己成長」です。自分の行動や言葉を変えることで、あなたの印象や感情は変わります。

人間を変えることはできませんが、人間関係は変えられます

その第一歩が、「自分が変わる」ということです。「人から嫌われたくない」と言う暇があるならば、「自分が変わる」ことを考え、そのための努力に1分でも1秒でも多くの時間を割くべきです。

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エネルギーを「キーマン」に集中投下する

そうはいっても、自分の直属の上司など、自分から関係を変えにくい相手から嫌われると、かなり大変です。一言でいうと「キーマン(鍵となる人物)」です。逆に、自分の直属の部下も、仕事の指示を出していちいち反発されるようでは仕事が進まないので「キーマン」です。

誰からも嫌われない努力をすることはものすごく大変で、労多く実りが少ないです。そんな時間があるのなら、自分の直属の上司や直属の部下といった大切な人とのコミュニケーションをとり、仲良くなる努力をすべきです。時間は限られているので、「キーマン」とのコミュニケーションに、あなたの時間と精神エネルギーの大部分を注ぎましょう

たとえば、あなたの同僚のBさんが、あなたのことを強烈に嫌っていたとしても、あなたの直属の上司との人間関係がうまくいっていて、あなたの仕事をきちんと評価してくれているのなら、Bさんがあなたのことをどう思おうが、それは些細な問題でしかありません。

イメージとしては、職場の中で重要な人物が3人いるとした場合、その3人との交流に時間とエネルギーを7割注げばいいのです。これを「キーマンの7対3の法則」と呼びましょう。

他の人たちとは、ボチボチの関係性でいいのです。10人中1人の割合で嫌いな人があなたの周りにいるかもしれませんが、実はそれは些末な問題でしかありません。

周辺の「嫌いな人」に対しては残り3割の7分の1、つまり、4%くらいのエネルギーを費やせば十分なのです

同じ職場、部署で別チームの人など、直接仕事に関わらない人、机は近いけど仕事では直接絡まない人、滅多に言葉を交わさない人もいるはずです。

いちいち、そのような人たちのご機嫌をとる必要はありません。精神のエネルギーと時間は限られたものですから、そのエネルギーをどこに費やすのか、それはあなたの重要な人に対して費やすべきです。
「みんなから嫌われない」はやめましょう。キーマンとうまくいっているのなら、それで十分です。

「みんなから嫌われない」をやめて「キーマンとしっかり関係性を築く」
それだけで、人間関係はものすごく楽になります。

あなたにとってのキーマンは誰か。実際に3人の名前を書いてみましょう。あなたは、この人たちとのコミュニケーションに時間とエネルギーを費やしてください。それ以外の人とのコミュニケーションは、ボチボチでいいのです。