IT導入写真はイメージです Photo:PIXTA

新型コロナウイルス流行の影響によりテレワークをはじめとした多様な働き方が普及し、WEB会議や電子契約をはじめ、業務をオンラインで遂行するためのITツールの導入が各社で進んでいます。

一方、ITツールの利用に関する問題として、従来から指摘されているのが「シャドーIT」です。企業内で十分な審査が行われないまま、社員の判断によって利用されるITツールやその状況等を指すシャドーITは、情報漏えいをはじめセキュリティ、コンプライアンス等におけるリスクをはらみます。こうしたリスクを念頭に、各企業ではITツールの導入・開発時にどのような審査を行っているのでしょうか。

BUSINESS LAWYERSは2020年5月、企業・団体の法務パーソンを対象に、IT導入・開発時の審査フローや、法務担当者の役割等に関するアンケートを実施しました。本稿では、当該フローへの法務部門の関わり方や、法務担当者が感じている課題、シャドーITの利用実態等に関する回答結果をレポートします。

【アンケートの概要】
 実施期間:2020年5月18日~5月29日
 調査手法:インターネット
 調査内容:社内で利用するITサービスの導入・開発時の法務担当者の役割等
 対象:法務担当者
 有効回答者数:211人

1)4割の企業でITツールの審査フローが未整備、
審査フローに法務部門が関わる企業は5割弱

 ITサービスを新たに導入する企業が増加し、その活用状況が事業の遂行や業績に直結するケースも見られるなか、企業はITサービスの導入・開発を行ううえでどのような検討・審査フローを整備しているのでしょうか。