「1年後に死ぬとしたら、何をしたいか」を考えてみる

「死」を意識すると大切なことが見えてくる。精神科医Tomy
1978年生まれ。某名門中高一貫校を経て、某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。研修医修了後、精神科医局に入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、産業医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。2019年6月から本格的に投稿を開始したTwitter『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』が話題を呼び、フォロワー数が急増。覆面で雑誌、テレビ・ラジオ番組にも出演。舌鋒鋭いオネエキャラで斬り捨てる人は斬り、悩める子羊は救うべく活動を続けている。前著『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)は発売即、大反響となりベストセラーに。最新刊『精神科医Tomyが教える 1秒で悩みが吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)も発売即、大重版となっている。

精神科医Tomy:水野先生のお話を聞いて、自分が余命3ヵ月を宣告されたらどうするかと考えたんですけど、やっぱり自分が今やっていることを続けると思います。ボクの場合は、クリニックで患者さんの診察をすること、その仕事をしかるべき人に引き継ぐこと。そして、できる限り書きたいことを書き続けるだろうと思います。あとは、今まで出会った大事な人に会いに行くでしょうね。

「自分はこれをやるために生まれてきた」という使命感を持ち、生きている間は使命を果たすことが、人にとって一番の幸せだと思うんです。水野先生は仕事に対する使命感の優先順位が高いと思いましたが、「大事な人と残された時間を過ごしたい」というのも立派な使命感だと思います。

ボク自身も、患者さんに対して「1年後に死ぬとしたら、何をしたいかを考えてください」と言うことがあります。1年後に死ぬという前提に立つと、「夢を追いかける」とか「出世する」といった長い時間がかかることの価値は低下します。

夢というのは、あくまでも生きている今を充実させるために必要なものです。死ぬ間際には、夢を持って輝いていた日常は懐かしく思い出されるかもしれませんが、夢自体は意味を持たなくなると思うんですね。

適度に執着を手放すためには、「1年後、3年後、5年後、10年後に死んでしまうとしたら、何を大事にするか・どんな行動を取るか」をイメージしたり、紙に書き出してみたりすることが大事です。期間に応じてやりたいことの数は上下しますが、そうやって考えることで、足元の大切なことが意識できるようになります。

今は新型コロナウイルスの感染拡大で、先行き不透明で不安な状況が続いています。こんな今こそ、足元の大切なことを忘れずに生きていけば、なんとか乗り越えられると思うんです。