7月下旬以降、PCR検査の件数は安定して1日2万件の検査体制が整っており、決して検査数は減ってはいません。また、グーグルが発表しているGPSデータからの国民の外出状況は、日本全体で見ればむしろ8月から9月にかけて外出が微増する傾向にあります。

 3番目と4番目は疫学的な話なので、一概に否定はできませんが、アメリカ、ブラジル、インドなどの海外では、相変わらず新型コロナが猛威を振るっていることから、日本だけウイルスが自然消滅しているとは考えにくいと思います。集団免役が重要であれば、これもむしろ感染が広がっている国の方が第2波の減少が先に起きるはずなので、日本の第2波収束の理由とは言いにくいでしょう。

 もっとも、インドやブラジルとの対比でいえば、ソーシャルディスタンスをとる、手をこまめに洗う、といった新しい生活習慣がコロナの収束に役立っていることは、一定レベルでは間違いないでしょう。これは、あくまで仮説推論ではあるのですが。

お盆休みの帰省や旅行の
自粛に効果はあったのか

 そしてもう1つ、6番目に次のような仮説を挙げてみたいと思います。

「感染者が増えてきたので、お盆休みに帰省や旅行が手控えられた」

 これは検証してみると、いろいろとその裏付けがとれるという点で、仮説推論としては面白い仮説です。

 たとえば、7月上旬と下旬で、新型コロナの流行には大きな違いがあります。7月上旬の段階では、これは政治問題になった話ですが、新型コロナの再流行は「東京問題だ」と言われていたことを覚えているでしょうか。歌舞伎町に象徴される夜の街で若者を中心にコロナのクラスターが起き、それが都内に広まった。だから地域的な問題だというわけです。

 ところが7月下旬になると、状況が変わります。東京だけでなく神奈川、千葉、埼玉、そして愛知、大阪、京都、兵庫、さらには福岡、沖縄、北海道と、全国の大都市へと感染が広まります。

 感染者の比率にも特徴があって、第1波のときと違い、第2波では若者の無症状や軽症の感染者が多かった。ちょうど、この7月下旬に政府のGo Toキャンペーンが始まったこともあり、地方では県またぎの旅行や帰省を非難したり、自粛を促したりするような動きが起きました。