塾の応援風景は消えるのか
徐々に感染のピークは過ぎた感もある新型コロナウイルス禍だが、年明けからの感染状況がどのようになっているかは誰にも確たる予想はつかない。私立中学各校は例年通りの日程で入試を行うとする一方で、感染対策にも万全を期す構えである。
森上教育研究所では、「2021年度入試コロナ対応」ということで、緊急アンケートを実施した。対象は首都圏を中心とする私立中高280校で、うち150校から有効回答を得ている。
まず、入試会場での恒例行事となっている塾による受験生への応援風景はどうなるのか、について見てみたい。「塾の応援について制限や中止を検討されていますか?」という問いに対して、「未定/検討していない/特に考えていない」といった回答が64校、「検討中」という回答が39校あり、合わせると全体の69%を占めている。
何らかの形で変更を考えている学校は26校に及んでいる。「もともと認めていない」(浜松学芸中学校・高等学校)、「昨年通り入校はお断りしています」(秀明中学・高等学校)、「現在、塾による応援は実施していない」(明法中学・高等学校)という学校はともかくとして、中止や自粛に向けた検討を進めている学校も目に付く。
「塾の先生方の応援の中止を依頼しようと思っています」(豊島岡女子学園中学校)
「中止を依頼する予定」(西大和学園中学校・高等学校)
「ご遠慮いただくよう検討中です」(渋谷教育学園渋谷中学高等学校)
「御遠慮いただく方向で検討しています」(城西川越中学校)
「塾の応援はご遠慮いただく方向で検討している」(逗子開成中学校・高等学校)
「中止の要請をする方向で考えています」(聖望学園中学校高等学校)
「できればお控え願いたい」(ドルトン東京学園中等部・高等部)
「自粛を求めたい」(芝中学校・高等学校)
「密が起きないようにスムーズに受験生の検温を行うべく、今年度については塾の先生方の応援についてはお控え頂きたいと考えています」(富士見中学校高等学校)
「本校最寄りの高輪台駅から本校正門までの密を回避するため、塾の先生方の受験生への激励はご遠慮頂く旨の依頼をする予定です」(頌栄女子学院中学・高等学校)というように、学校前だけでなく、最寄り駅からの通学路が密になることも避けたい。
また、人数制限などによる対応の要請を検討している学校も多い。
「応援の中止または人数制限を検討している」(海城中学高等学校)
「制限か禁止にする方向で検討しています」(法政大学第二中・高等学校)
「塾の応援については、制限します」(駿台学園中学校)
「人数を少なくしていただくよう要請することなどを検討しています」(國學院大學久我山中学高等学校)
「各教室1名の先生でお願い致します。エリアを限定致します」(江戸川学園取手中・高等学校)
「ソーシャルディスタンスをとる。ある程度の人数制限を予定」(獨協埼玉中学高等学校)
「感染状況によってはご遠慮いただく案も検討中」(浅野中学校)
「控え室は家族だけに限定し、塾の応援は中止を依頼する」(多摩大学附属聖ヶ丘中学校)
他にも何らかの制限を検討している学校としては、鎌倉学園中学校・高等学校、自修館中等教育学校などがある。