【パワーポイント仕事術】多忙な上司からOKをもらう「1分プレゼン資料」を最速でつくる方法Photo: Adobe Stock

パワーポイントでプレゼン資料をつくるのに時間がとられる……。
そんな悩みを抱えているビジネスパーソンが増えています。そこで、ソフトバンク在籍時に、最速で「一発OK」を勝ち取るプレゼン資料をつくるノウハウを磨き上げた前田鎌利さんにまとめていただいたのが、『パワーポイント最速仕事術』(ダイヤモンド社)です。
「パワーポイント最速仕事術」のポイントは2つ。
まず、「優れたスライドの型」を把握することです。見た瞬間に内容が理解できるスライドには、「テキスト」「図形」「グラフ」「画像」「アニメーション」などの「型」があります。その「スライドの型」をゴールにすれば、いちいち「どのようなスライドにしようか?」と悩む必要がありません。次に、その「スライドの型」を最速でつくるパワーポイントの操作法をマスターすることです。パワポには多くの機能がありますが、「スライドの型」をつくるために必要な機能はごくごく限られています。その限られた機能をマスターするだけで、「一発OK」がとれる優れたプレゼン資料があっという間に出来上がるのです。
そして、『パワーポイント最速仕事術』では、「スライドの型」と「その型をつくるためのパワーポイントの操作法」を、ビジュアル満載で紹介しています。本連載では、その一部を抜粋しながら、優れたプレゼン資料を「最速」でつくるノウハウを解説してまいります。

「非表示」設定でショートバージョンをつくる

 プレゼン資料は、「状況」に合わせて変える必要があります。

 つまり、あるテーマのプレゼン資料を完成させても、いつでもどこでも、その「フルバージョン」の資料を使えるわけではないということです。「状況」に合わせて、プレゼン資料をカスタマイズする必要があるのです。

 たとえば、私がソフトバンクに在籍していたころは、とにかく忙しい上司ばかりですから、会議を中座して次のアポイントに向かってしまうことがしばしばありました。

 そんなときには、廊下を足早で歩く上司を追いかけて、タブレットでプレゼン資料を見せながら、「1分プレゼン」で企画のGOサインをもらったものです。そのような事態がありうると想定したうえで、「フルバージョン」のプレゼン資料を短縮化した「1分バージョン」を用意していたのが、功を奏したわけです。

 これは、社外プレゼンでも同じです。

 商談会などで大人数を前に新商品をPRする「フルバージョン」のプレゼン資料をつくったとしても、個別の企業を訪問して営業するときに、その「フルバージョン」のプレゼン資料を使えるとは限りません。営業相手から与えられたプレゼン時間が短ければ、それに合わせて「ショートバージョン」をつくらなければならないのです。

 そして、「ショートバージョン」をつくるときに重宝するのが、重要性の低いスライドを「非表示スライド」に設定する機能です。重要性の低いスライドを削除して、「ショートバージョン」として保存する方法もありますが、スライドそのものは残したまま「非表示」設定するほうが便利です。

 なぜなら、スライドを削除したファイルを保存したあとに、そのスライドを元に戻したいと思ったときに作業が面倒だからです。

 また、所要時間30分の「フルバージョン」の「5分バージョン」をつくったあとに、「10分バージョン」をつくる場合には、もう一度「フルバージョン」から「10分バージョン」をつくるよりも、「5分バージョン」の「非表示」をはずして「10分バージョン」にするほうが、はるかに効率的です。

 このように、「ショートバージョン」をつくるときには、「非表示スライド」機能を使うのが正解なのです。