地域活動の一環として
厚労省が開設を指示

 認知症カフェは、介護保険のケアサービスとは関係のない、地域活動である。

 厚労省の調べでは、2018年度末時点で全国に7023カ所。うち30%近くは介護サービス事業者が運営しており、地域包括支援センター、社会福祉法人、市区町村など介護関係者を合わせると65%に達する。

認知症の人や家族の暮らしに知恵を出し合う場「認知症カフェ」とはLDKのワンルームが「Dカフェ・ラミヨ」の会場

「Dカフェ・ラミヨ」を運営するのは、竹内さんが代表のNPO法人「Dカフェまちづくりネットワーク」。「ラミヨ」を含め目黒区内に10カ所、隣の世田谷区に1カ所の拠点を持ち、合わせて月13回もカフェを開く。最初に「ラミヨ」を始めたのは2012年7月。

「2012年に全国で4つの認知症カフェが立ち上がり、それが日本の『オリジナル4』と言えるでしょう」と話すのは、写真家のコスガ聡一さん。この7月に「全国認知症カフェガイドブック」を出版し、訪ね歩いてきた各地の認知症カフェを紹介している。

「Dカフェ」は、その「オリジナル4」のひとつ。認知症カフェの幕開けを担っただけではなく、11カ所という規模は日本最大だろう。

 認知症ケアは、先進各国の大きな共通課題。2014年にはロンドンで8カ国が専門家を集めて「認知症サミット」を開き、日本では介護保険ではカバーできないため、2012年9月に「認知症施策推進5か年計画」(オレンジプラン)を政府が策定した。2015年からは5年間の「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)に、さらにこれを引き継いで、昨年6月には「認知症施策推進大綱」を発表、国会には「認知症基本法」を上程した。

 認知症カフェは、オレンジプランの中で提案された。「認知症の人の家族の介護負担の軽減などを図るため、認知症の人とその家族、地域住民、専門職が集う認知症カフェ」とあり、「家族の負担軽減」が当時の目的とされたが、今では「認知症本人の声を聞き、生活の質(QOL)を変えないように皆で考えを出し合う場」になりつつある。

 新オレンジプランでは自治体にその開設が求められ、指示を受けた各地の地域包括支援センターが立ち上げに奔走してきた。