アップルvs.エピック対立の構図は

AERA 2020年9月28日号より 拡大画像表示

 かつてゲームのプラットフォームとはゲーム機本体のことだった。80年代、ファミコンに対抗するためハドソンがNECと協力して「PCエンジン」を開発したように、自前のソフトを自由に売るためには、まず自前のハードを立ち上げなければならなかった。しかし現在はエピックが「ストア」を立ち上げたように、比較的容易にオンラインでゲームを配信できる。

 もう一つは、エピックの独自性と技術力だ。

 フォートナイトは複数人が撃ち合って1人が生き残るバトルロイヤル型がメインのシューティングゲームだが、大きな特徴は、ゲーム内で戦闘から身を守ったりするためにあらゆるものを建築できる自由度の高さにある。これにより、ライブ会場をゲーム内に築いた上で、米津玄師さんら著名ミュージシャンがライブを開くことも可能になった。企業からはゲーム内広告にも注目が集まり、シューティングゲームという枠を超えた仮想空間「メタバース」が形成されるようになっている。

ゲーム以外でも不可欠

 フォートナイトが単なるゲームではなく、世界中の人々が行き交う仮想空間になったのは、基本使用料が無料であることに加え、利用者が各社のゲーム機やスマホから同じ世界に同時接続できる「クロスプラットフォーム」という仕組みのおかげだ。複数の種類の家庭用ゲーム機で同じゲームが発売されることはこれまでもあったが、あくまでそのゲーム機を使っているプレーヤー同士だけがオンラインで対戦したりするだけだった。

 利用者にとってはすばらしい仕組みだが、プラットフォーム側からみると危険きわまりない。利用者がゲーム機の垣根を越えられるようになれば、ゲーム機の独自性が失われ、ゲーム機が売れなくなりかねない。たとえば、もしスマホやプレステ4から「あつまれどうぶつの森」の世界を楽しめたら、ニンテンドースイッチを買う人は当然減ってしまうことになる。

 エピックの独自性と技術力を示すもう一つの存在が、世界中のゲーム開発者がこぞって使用するゲーム開発ツール「アンリアルエンジン」だ。ライセンス使用料を基本的に無料としていることや利用のしやすさからあらゆるゲームの開発に使われ、家庭用ゲーム業界はエピックなしでは成立しないほどだ。