また、お会いしたときだけでなく、ちょっとした贈り物などのお礼状も同様です。いつ書いている時間があるのだろう、と思うような多忙な方たちほど、必ずお礼状が届くのです。それも多くの場合が直筆だったり、直筆のサインが入っています。
実は、私が指導をしております、国際儀礼(プロトコール)の手紙のルールでも、感謝の手紙はその当日、もしくは遅くとも翌日には書いて送ること、と謳っています。社会的地位の高い人は、そうした礼儀を踏まえ、ご自身の気持ちをすぐに相手に伝えることを常としています。そして、これがまた、双方の円満な交流となり、ビジネスにも活きてくるのです。
相手が喜ぶことを
さりげなくできるのが「気配り」
国際儀礼でこうした「お礼状はすぐに書く」といった気配りをすすめている大きな理由は、すぐに伝えたほうが相手の方も嬉しいからです。
つまり、相手が喜ぶことをさりげなくできることが「気配り」であり、それが「国際儀礼」としてのルールなのです。
感謝の気持ちを伝えるのが遅くなってしまった場合、多忙だったなど、何だかんだと言い訳をしてしまうのが人間というもの。しかし、それは互いに気持ちの良いことではないので、すぐに礼状を書きましょうと言っているわけです。もちろん、遅くなっても書いてください。いちばん良くないのは、書かないこととお礼を伝えないことです。
日本のマナーでも国際儀礼でも共通しているのは、「答礼・相互主義」といって、何かをしていただいたら必ずお返しをすることです。交流は必ず相互に同等に交流するという考え方に基づいていて、国際間の慶事や弔事でも同程度の答礼を行うこととされています。
「気配り」というのは、相手を喜ばせようと思う気持ちです。相手に嬉しいことをされたら、こちらも同じように返す、こうしたことで、コミュニケーションが円滑になり、誰とでも、どんな場でも、上手な人間関係を築いていけるのです。
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