ステージ3は「具体的な日々の仕事の内容を知ること」
ステージ3は、もうけの仕組みと各部署の役割を踏まえ、より具体的に、自分が行きたいと思っている部署の日々の業務がどうなっているのか、毎日何をしているのかを理解することが主眼になります。
この段階まで来れば、自分がある職種の人員としてその企業で働くときに、こういうことが起こり得るのではないか、こういうときにはどうするのか、という想像もできるようになるでしょう。そのレベルの情報や疑問の解消は、実際に企業の担当者とやりとりしなければ、なかなか得られません。
例えば、企業のホームページには絶対に載っていないこと、採用担当者が企業説明会のときには絶対に語らないことがあります。日々の業務の中で接しているお客さまとの間にどういうやりとりがあるのかということです。
最近はどの企業もワークライフバランスに配慮しているとうたっているので、基本的には残業は少ないと答えるかもしれません。しかし、例えば住宅ローンに強い金融機関を志望しているとすれば、お客さま対応はいつ行うのか? 共働き世帯のお客さまへの対応は、やはり平日の夜や土日に集中するのではないか。そう予想して、質問することもできるでしょう。それは、実際に自分がその場で働くことを細かくイメージし、そこで働く覚悟ができているからこそできる質問です。
OB・OG訪問や、企業の採用担当者と会うときに、ステージ3まで到達していれば、このように、かなり深い質問をすることが可能です。OB・OGや採用担当者は、何も知らない学生にはおそらくステージ1の「自社のもうけの仕組み」に近いところから話を始めるでしょう。互いに限られた時間の中でそのような初歩的な話から聞いていたのでは、あまりにもったいない。深い情報や公開されていない情報をどこまで引き出せるかは、企業の人と会う時点でステージ3まで到達しているかどうかにかかっているといっても過言ではありません。
せっかく企業の中の人に会うのなら、ステージ3の「日々の仕事に関する」質問をして、より具体的にその企業で働くイメージを持つことです。そうすれば、採用試験や面接でも、他の志望者を圧倒するようなリアリティーのある志望動機を書いたり、話したりできるでしょう。
以上、22年卒の就活生が秋冬に向けてやっておくべきことを3つのステージに分けてお話ししました。次回以降はこの3つのステージについて、具体的にいつまでに何をやるのかというスケジュールをお話ししたいと思います。
(ダイヤモンド・ヒューマンリソース HD首都圏営業局 局次長 福重敦士)