2020年10月1日、近助タクシー実用化の朝。ドライバー等の関係者の前で挨拶する、河合永充・永平寺町町長2020年10月1日、近助タクシー実用化の朝。ドライバー等の関係者の前で挨拶する、河合永充・永平寺町町長 Photo by Kenji Momota

オンデマンド交通
「近助タクシー」の実用化が始まる

 深夜から降り続いた雨がすっかり上がり、九頭竜川のまわりに青空が見えてきた。

 2020年10月1日、この日からオンデマンド交通「近助タクシー」の実用化が始まった。

 ここは北陸の地、福井県吉田郡永平寺町。

「禅」の修業の場として世界的に知られる、曹洞宗大本山永平寺がある。

 筆者は当地で行われている、国の自動走行実証の取材などを通じて、河合永充(かわいひさみつ)永平寺町・町長や役場の皆さんとの交流が始まり、2018年夏から町内で一軒家を自主的に借り、関東地域から定期的に通っている。

永平寺町MaaS会議の様子。町の施設「四季の森」にて。交通、物流、観光、福祉・介護など各方面の関係者が集まった永平寺町MaaS会議の様子。町の施設「四季の森」にて。交通、物流、観光、福祉・介護など各方面の関係者が集まった Photo by K.M.

「永平寺町エボリューション大使」として、町から正式に任命していただき、新しい交通・新しいまちづくりの在り方を幅広い方面の皆さんと議論する、「永平寺町MaaS会議」の取りまとめも行ってきた。

 そうした話し合いが、近助タクシーの実現に結び付いた。予約すると自宅まで迎えに来て、病院やスーパーなど事前に決められた目的地に向かう交通手段だ。