効果的なオンライン授業の立ち上げの
3つのカテゴリ

オンライン教育の立ち上げで考慮すべき内容は、
3つのカテゴリに分かれます。

A. オンライン授業開始前の下準備
B. ITリソースの確認とトレーニング
C. 教師と生徒のコミュニケーション

これら3つのカテゴリに分け、
10の確認事項について解説します。

講師をされている方は講師側、
学習をされている方は学習者側として、
何が足りていて何が足りていないか、
よりよい学習のためには何が必要かを、
考えながら読み進めてくださいね。

A. オンライン授業開始前の下準備

1.オンライン学習のプラットフォームは何を使うのか?
Zoom、Google Classroom……オンライン教育に使えるツールは、有料、無料含めたくさんあります。それぞれの特徴を把握し、自身の教え方、目的に最も合うものを選びましょう。
これが一番というものはありません。大切なのは教育や学習の目的です。

2.教材をシェアするためのツールは何を使うのか?
授業をしていれば、資料を見せたい、共有したい場面が必ずあります。
パワーポイント、画像、映像を教師が一方的に見せるだけでなく、
学習者と「バーチャル黒板」でやりとりする、
同じ教材に双方が入力できるようにするなど、
使いたい機能で選ぶべきツールは変わります。
こちらも目的に合わせて比較検討しましょう。

3.学習時間外で教材などをシェアするためのツールは何を使うか?
予習、復習は、オンライン学習でも大切。
予習課題、宿題、次回の課題の共有方法など、
授業以外で生徒とやりとりをするためのツールを決めましょう。
Google ClassroomやCanvasなどのオンライン学習に特化したラーニングマネジメントシステムは使い勝手がよいですが、
メール、Dropboxなどでも慣れているなら、それらのツールも利用できます。

B. ITリソースの確認とトレーニング

4.学習者はオンライン学習に使うコンピュータ、
タブレットなどを持っているか?

生徒のIT環境は、オンライン教育において非常に重要です。
スマートフォンも活用できますが、機能が限られるため、
内容によりパソコンが必須のこともあります。
必要な端末を持っていない生徒に貸出を行うかなどを含め、
サポート体制を考えます。

5.インターネットのスピードは十分か?
生徒側の通信環境が整っていない場合、
スムーズなやりとりができないことがあります。
学校や生徒の環境などによっては、
ビデオなしの講義を想定する必要もあるため、
確認しながら進めることが大切です。

6.使用するツールのマニュアルは作成したか?
使うツールの使用法をすべて学ぶのはとても大変です。
生徒、教師、必要に応じて保護者など、
必要最低限のことができるように、
ユーザー別の使用法を記した簡潔な手引を用意しましょう。

7.ITサポート、トレーニングは誰が行うか?
オンライン授業開始前に、生徒、教師などユーザー別に、
ツールの使い方のトレーニングを行います。
誰がレクチャーを担当し、
いつどのように行うかというトレーニングの計画を立てましょう。

C. 教師と生徒のコミュニケーション

8.講師、スタッフの連絡方法は決まっているか?
オンライン学習の期間中やりとりができるように、
コミュニケーションのツールを決め、
共有しておきましょう。
メール、Skype、Slack、Facebookグループなど、
ソーシャルメディアの利用も考えられます。
また、使用に関するルールを事前につくることで、
様々なトラブルを回避できます。

9.オンライン教育のやり方、計画をどのように伝達するか?
講義の計画、進め方、連絡をどのように伝達するかを考える必要があります。
連絡した内容は、そのままサイトなどにまとめ、
情報をいつでも見られるようにしておくと便利です。

10.オンライン教育用の連絡先を作成したか?
ITサポートを行う専用の連絡先を作成しておきましょう。
授業に対する質問と、ITに関する質問が混ざってしまうと、
教師側も生徒側も混乱する事態になりかねません。
学習に集中できる環境を整えることも、
教育をオンライン化するにあたっては、とても重要です。