2. 革新タイプ

 常識にまったくとらわれず、信じた方向に一直線に進み、結果的に時代を切り開く。不確実性が高く、右とも左とも分からない未分化の状況において、独自の物差しで情報を取捨選択し、当人にとってこちらの方向に行くのが正しいだろうと思われる、(未来において必要になる蓋然性が高い)選択肢を自分で導き、実行しようとする。

 ユニークな知性を持った人であり、洞察力にすぐれ、普通の人には見えない世界が見えている。それを言葉にし、具体化し、実行して、結果を出す人である。異端、変人に見えるが、実は、1の能吏タイプの人よりラジカル(本質的、根源的)にものを考えたり、見たりしているので、1とは次元の違う賢さを持っているといえる。

 しかし、下手をすると周りからは頭のおかしい人、変な人にしか見えず、そのように認識され、扱われる可能性がある。その発想が独創的すぎて、わかりやすく論理的に万人を説得することは不可能なので、結果を示し、結果が人の評価を生み、支援者が生まれてトップになるというプロセスをたどる。

3. 紐帯タイプ

 みんなから好かれ、人と人をつなげたり、まとめたりするのが上手な人。事象や解決策を自分自身では深く考えることはせず、複数の他者に案出を委ね、自分は出された案の効果や実効可能性の評価と組織的コンセンサスを取る方法を考えて、良い結果を導こうとする。

 大企業の中には、若いころはあまり目立たなかったのに、上級管理職になるころからがぜん評価されはじめる人がいるが、それがこのタイプである。自分を賢そうに見せようとはしないが、人間関係構築において実はたいへん賢い人である。「社会的な知性の高い人」といってもよいかもしれない。

 自分が前に出るのではなく、周りをうまく使い、周りに花を持たせる。難しい分析や対策づくりは、「能吏タイプ」や「革新タイプ」の人に考えてもらう。自分は評価基準をどうすべきか、どのように組織内でコンセンサスを作るか、どうすれば皆がもめずにやる気になってくれるか、組織に関係するところだけを考える。

 自分が優秀であることを疑わない「能吏タイプ」や「革新タイプ」の人が、問題の定義と解決法にやっきになったり、自分の考えた提案に固執してしまったりするのに対し、この「紐帯タイプ」は、特定の策にこだわりがない。だからこそ、誰に対しても攻撃的になることもなく、優れた意見を取り入れようと人の話を傾聴し、無理な意思決定もしない。誰からも評価されて、人として「好かれて」、立派なトップだといわれる。