何歳までこの会社で働くのか? 退職金はどうもらうのか? 定年後も会社員として働くか、独立して働くか? 年金を何歳から受け取るか? 住まいはどうするのか? 定年が見えてくるに従い、自分で決断しないといけないことが増えてきます。
会社も役所も通り一遍のことは教えてくれても、“あなた自身”がどう決断すれば一番トクになるのかまでは、教えてくれません。税や社会保険制度の仕組みは、知らない人が損をするようにできています。
定年前後に気を付けるべき「落とし穴」や、知っているとトクする裏ワザを紹介したシニアマネーコンサルタント・税理士の板倉京先生の話題の著書「知らないと大損する!定年前後のお金の正解」から、一部を抜粋して紹介します。本書の裏ワザを実行するのとしないのとでは、総額1000万円以上も「手取り」が変わってくることも!

失業手当がもらえる要件をしっかりチェック。

失業手当がもらえる場合、もらえない場合をしっかりチェック

「定年」という言葉は引退というイメージが強いからか、失業手当をもらえないと思っている人もいるようです。

 しかし、「会社員として再就職する意欲のある人」であれば、失業手当はもらえます。新入社員のころから、コツコツと何十年も雇用保険料を払い続けてきたわけですし、失業手当は税金もかかりませんので、是非、もらっていただきたいと思います。

 失業手当は誰でももらえるわけではなく、表のような条件があります。

 失業手当がもらえるのは65歳になる前に退職をした場合に限られます(65歳以降で退職して求職活動をする場合は、高年齢求職者給付金という別の給付金になります)。

 そして表の通り、「今現在、就職意欲があるのに、就職が決まっておらず失業状態にある人」に限られるので、雇用延長や転職が内定している人はもらえません。

 また、「すぐ働ける状態にある人」だけなので、病気やケガなどですぐに働けない人、しばらく休んでのんびりしたい人も、ただちにはもらえません。

 ただし、事前に受給期間の延長を申請しておけば定年退職者の場合、最長2年まで受給が延長できます。いったんゆっくり休み、働ける環境が整ったら、就職活動をして失業手当を受けたいという人は、事前に申請しておくことを忘れないようにしましょう。

 また、個人事業主として開業してしまうと、実際には仕事がなく、開店休業状態であっても、フリーで仕事をしているとみなされるのでもらえません。

 失業手当がもらえる条件を満たしていれば、離職票を持ってハローワークに行って申し込みを行い、所定の手続きを経て、失業認定がなされると、失業手当がもらえます。

 失業手当がどのくらいもらえるのかは気になるところだと思いますが、支給額は離職理由と勤続年数、退職前の給与などによって決まります。基本手当日額は、退職前の給与に一定の給付率をかけた金額ですが、上限が決まっており45~60歳未満8370円、60~64歳7186円です(毎年8月1日に見直しあり)。給付日数は、「定年退職」だと最大150日です(「会社都合」によるリストラなどだと、給付日数は最大330日)。

 60歳で定年退職した場合、最高108万円程度もらえます。