インターネットの「知の巨人」、読書猿さん。その圧倒的な知識、教養、ユニークな語り口はネットで評判となり、多くのファンを獲得。新刊の『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』には東京大学教授の柳川範之氏「著者の知識が圧倒的」独立研究者の山口周氏「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せるなど、早くも話題になっています。
この連載では、本書の内容を元にしながら「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に著者が回答します。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。(イラスト:塩川いづみ)
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

9割の人が知らない「数学が苦手な人」が数学を独学するときの3ステップPhoto: Adobe Stock

[質問]
 数学書を読むときのコツなどがあれば教えていただきたいです。

最初に、筆写から始めてみてください

[読書猿の解答]
(1)全文書き写します。これは自分が雑な人間であるせいで、例えばiとjを読み違えて分からなくなるなんてことが頻発するので、必要な注意力を調達するためです。

(2)「分からない」を腑分けします。分からなくなったら、どこまで分かるか、どこから分からなくなったかを1行1語単位で見直します。随分前の、いい加減に分かっていたところまで遡ることが多いです。

(3)分かる本を探します。近年は分かりやすく解説した本も多いので、そっちに寄り道した後、元の本に戻ります。このあたりは図書館を使った独学術の一環でもあります。