世界初のエビデンス「糖尿病は冬に悪化」
規則正しい生活を心がける

 坂本医師は昨年2月、米国糖尿病学会誌で、生活習慣病が冬に悪化する詳細を明らかにした。血糖、血圧、脂質の季節変動は以前から指摘されていたが、数値変動を追った解析は世界初であった。坂本医師のチームは、糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)における登録病院38施設10万人強の患者データベースから血糖、血圧、脂質、体重の月別季節変動の詳細と、それに伴うガイドライン達成率を検証、それらに影響を及ぼす因子を同定した。すると、「血糖、血圧、脂質の値が同時に変動し、12月から2月に悪化している。冬の健康管理が大切」という結果が出た。日本は東西南北さまざまな気候が共存する。「どの国でも参考になる科学的根拠」と世界的評価の高い論文となった。

 近年は、採血するたびに血糖・血圧・脂質の数値がばらつくことも心血管病を増やすと報告されている。後述する食事・運動療法に気をつけ、睡眠不足やさまざまなストレスに対処し、出来るだけ規則正しい生活を送ることの重要性が高まる。

 坂本医師の近著『最強の医師団が教える長生きできる方法』(アスコム)では、できるだけ長く人生を楽しむための有益な情報が63項目紹介されている。大きく分けて5つのカテゴリー、「食事」「運動」「睡眠」「生活習慣」「治療法」。その中から「食事」「運動」に絞り、坂本式実践メソッドを17項目抜粋、加筆する。

坂本式実践メソッド・食事編
バランスよい食事で血管ダメージを回避

◎1日3食、穀物や野菜を取り入れ、栄養バランスを良く

 血糖、血圧、脂質のトリプルリスクに気を配った食事、できれば、朝食は多め、夕食は少なめ。夕食は炭水化物や油分の多いものを控え、できるだけ早めの時間帯に。就寝前のドカ食いは絶対厳禁。

◎血管にダメージを与えない

 高血糖に加え、高血圧や脂質異常症が加わることで、血管を傷つけ、心筋梗塞、脳梗塞を引き起こすリスクが高まる。高血糖だけならそのリスクは「1」で済むが、高血圧や脂質異常症が重なると、「1+1」が10にも20にもなる。重い病気のほとんどは血管のトラブルが原因。この冬に備え一番大事なのは、血管にダメージを与えないことである。

◎「グルコーススパイク」に注意

 血糖値が一気に上下するグルコーススパイク(血糖値スパイク)の繰り返しが血管を傷つけ、心筋梗塞、脳梗塞の一因となる。グルコーススパイクは健康診断でも見逃されやすい。糖尿病の既往歴がない健康な人でも起こる。穀物や野菜が少なく、糖質、脂質に偏った食事を短時間で済ませてしまう人に、より起こりやすい。