「坂本式実践メソッド・運動編」については、以下のようにポイントをまとめたので参考にしてほしい。

■坂本式実践メソッド・運動編
◎食事前の過度な運動は、糖が吸収されやすくなるので控える
◎夕食後には軽い健康体操やストレッチで血液中のブドウ糖を消費し、グルコーススパイクを避ける
◎1日10分でも、長期的に続ける適度な運動を
◎座っている時間を少しでも減らす
◎腹筋は加齢とともに衰えやすいので、お勧めの健康法
◎過去1カ月にかけた負荷よりも、やや多めの負荷にとどめる
◎疲労回復のため、週に1~2回は運動を控える
◎運動を続けるきっかけとなるコーチの存在も大きな味方

岐路に立つ糖尿病対策
「メタボ検診」には疑問も

最強の医師団が教える 長生きできる方法最強の医師団が教える長生きできる方法』(アスコム刊)
国際医療福祉大学三田病院糖尿病・代謝・内分泌内科学坂本昌也教授ほか総勢10名の最強ドクターが執筆。216ページ

 冒頭で述べた通り、11月9日から公益社団法人日本糖尿病協会が啓発する全国糖尿病週間が始まった。今回のテーマは「サルコペニア・フレイル(※)」。標語は「筋肉量 コツコツ積み上げ 健康長寿」である。超高齢社会を迎えた日本における課題の一つをテーマ、標語としている。

 一方、糖尿病発症予防の早期対策である「メタボ健診」は、ごく最近その効果に疑問が呈されている。より効果的な手段の検討が早急に必要でもあり、本邦の肥満対策も大きな岐路に立っている。医療従事者のみならず、行政も含めた社会全体での取り組みが必要となってきている。

 2020年、コロナ長期化と夏の爆暑は、生涯忘れ得ぬインパクトを私たちに与えた。このインパクトを機に、世界標準の糖尿病研究の旗手、坂本医師が提唱する食事と運動法を参考に、元気な生活、健康寿命の延伸を目指したい。

(※)サルコペニアは【加齢や疾患などにより筋肉量が減少し、筋力低下や身体機能の低下が起こること】。 フレイルは【加齢に伴い健常から要介護へ移行する中間の段階で適切な支援で健常に戻りうる状態】。

◎坂本昌也(さかもと・まさや)
国際医療福祉大学三田病院糖尿病・代謝・内分泌内科学教授。高糖質、高血圧、脂質異常症のトリプルリスク対策を軸とした総合診療能力に長けた、高い患者支持率を誇る内科医。昨年2月、米国糖尿病学会機関誌に、「糖尿病は冬に悪化する」という感覚的であった事実を、10万人強の患者データを基に世界で初めてエビデンスとして発表した。「高齢者は血管のダメージに注意」「若い人は食事の意識を高めよう」と外来診察や著書、メディアを通じて広く啓蒙している。