「心が痛んでいる時、それはもう、風邪と同じです。休みましょう」
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話題のWEB漫画家・やしろあずき氏が
“苦しく、悩んだとき、「逃げる」という選択肢を持つ”ことの大切さを伝える1冊、
『人生から「逃げる」コマンドを封印している人へ』より特別に一部公開します。
「逃げる」のは悪じゃない
これは僕が中学生だった頃の話ですが、当時から絵を描くのが好きだったので、美術クラブに入っていたんです。ただ、その美術クラブはめちゃくちゃ真面目な感じで、「よ~し! みんなで楽しくお絵描きするぞ~!」とワクワクして入った僕からすると、マジで全然楽しくなかったんですよね。マジで。
あまりにも楽しくなかったので、辞めたいという相談を母にすると、すぐに「じゃあすぐに辞めな」と言ってくれたんです。普通こういう時の親って、「せっかく入ったんだからもう少し続けなさい」みたいに言いそうじゃないですか。
辞めたい張本人の僕でさえ「辞めたいけど、こんなにすぐに辞めたら周りから逃げてばかりだと思われそう…」と悩んでいたんですが、「別にその世界がすべてじゃないんだから、辞めな」と背中を押してくれました。
「逃げることは悪じゃない」
母からのこの言葉は僕にとって「本当に嫌なことからは逃げてもいいんだ」と当たり前のことに気付かせてくれた大切な言葉になりました。働いていた会社も2回辞めたし。
なので、僕の脳内にはいつもゲームでいう「逃げる」コマンドが選択肢として存在していて、「本当に嫌になったら逃げればいいや」と、その存在が精神的な支えになっているんですが、今の世の中、そもそも「逃げる」コマンド自体が脳内に存在していない人がかなり多いと思うんです。
多分、そういう人ってかなり真面目な人で、例えば会社を辞めたいと思っても、「自分が辞めたら周りに迷惑がかかっちゃうし…」とか「そもそも上司に言い辛い」みたいにズルズル働いて、最終的には精神的に大きな傷を負ってしまうことになりかねないんですよね。
嫌だったら即辞めろ(逃げろ)、というわけじゃなく、しっかりと考えて別の選択肢を出したうえで辞めたほうがいいとは思うんですが、マジでヤバいクソオブザクソブラック企業だとほかの選択肢を考える事もできないほど追い詰められたりするので、そういう場合は何も考えず辞めるのが正解だと思います。
「逃げることは悪ではない」という言葉を、この本を読んでくれている皆さんには忘れないでいただきたいですね。
(本原稿は『人生から「逃げる」コマンドを封印している人へ』<やしろあずき著>の抜粋です)