ワクチンは2種類
どちらを打つかは要相談

 50歳以上に向けては、予防ワクチンの接種が最善の対策として推奨されている。

 帯状疱疹の予防ワクチンが日本で最初に登場したのは、2016年3月。既存の水痘ワクチン「乾燥弱毒生水痘ワクチン『ビケン』」が帯状疱疹の予防に適応を拡大し、任意接種の対象となった。だが生ワクチンであるため、免疫機能に異常のある疾患を有する人や免疫抑制を来す治療を受けている人は禁忌とされている。

 つまり、副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、抗リウマチ薬や抗癌薬などの薬剤を用いている人には接種できないのだが、帯状疱疹の発症リスクは免疫抑制状態にある人ほど高い。こうした人たちに予防接種ができないというのは大きなジレンマだった。

 しかし2020年1月、この状況に変化が起きた。生ワクチンではないため、免疫機能の低下した人にも使用できる「乾燥組換え帯状疱疹ワクチン『シングリックス』筋注用」が発売されたのだ。帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛において、ビケンを上回る予防効果が得られることが臨床試験で示されている。ただし、疼痛、発赤、腫脹などの副反応が比較的高頻度に認められるという欠点もある。一方、ビケンは、注射部位が赤くなる以外の反応は少ない。

 またシングリックスは、2カ月の間隔を空けて2回接種が必要で、合計の接種費用は4万円ほどかかる。片や生ワクチンのビケンは7000円~1万円と4分の1程度で接種できるため、こちらを選択する人は多いようだ。ただ、名古屋市のように帯状疱疹ワクチンの半額助成制度を始めているところもあり、両ワクチンの価格差は自治体によって異なる。

 どちらを接種するかは、医師とよく話し合って決めてほしい。