『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が10万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏「著者の知識が圧倒的」独立研究者の山口周氏「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。(イラスト:塩川いづみ)
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

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[質問]
 SFに関して詳細な記事を見ると格好良くて惹かれます。しかし、まるで別世界の様に見えて理解が出来ません。SFの入門書で、良い本をご教示いただきたいです。

理解に供するSF入門はあまり思いつきませんが…

[読書猿の回答]
 実際、「別世界」だと思うんですが。反則なのを自覚しつつ、まずは漫画『バーナード嬢曰く』をお勧めします。神林しおり嬢の暑い(ママ)語りをお聞きください。

 これだけでは何なので、我が国で書かれたSF入門をいくつがご紹介しておきます。

 福島正実『SF入門』早川書房、『SFの世界』(三省堂)は、日本SFのパイオニアによるSF紹介書。

 筒井康隆編著『SF教室』(ポプラ社)は、年少者向けの貴重な一冊。筒井の他に豊田有恒、伊藤典夫が筆を執っています。

 小松左京『小松左京のSFセミナー』(集英社文庫)は、海外・日本SFの概説、日本SFの歴史、著者本人による著作解説に加えて、文学本質論・物語原論が収録されいます。

 伊藤典夫編『世界のSF文学・総解説』(自由国民社)。これはあらすじ中心の作品案内です。

 荒俣宏『別世界通信』(ちくま文庫)は、幻想文学の入門案内書。巻末の書籍案内もすばらしい。

 石原藤夫『S-F図書解説総目録』(S-F資料研究会)。S-F資料研究会には『SF書誌の書誌』なるものすごいレファレンスがあります。

 最後に、番外で、はなはだ個人的ですが、読書猿のSF事始めとなった、横田順彌『日本SFこてん古典全三巻』(集英社文庫)を。これは日本の隠れたSFを掘り起こした快作です。もう、冒頭の『炭素太功記』から頭がおかしくなりそうなくらいおかしい。理科の参考書なのに登場人物紹介があり、

炭吉=幼名金剛石丸、後に太閤炭吉。
加藤酸素=炭吉の家臣、正しくは加藤酸素之助清正。
福島水素=炭吉の家臣、正しくは福島水素松正則。
竹中窒素之兵衛=炭吉の客分で、其の参謀長。

豊臣秀吉は人界独歩の英雄である。炭素は物界抜群の偉彩である。若し炭素に人間の意気を吹き込んだならば、将に此の書にある炭吉の如くなるべしとの筆者の想像のもとに、太閤記に因んで本書を著はした次第である。
此の一書秀吉の英姿も偲ばれるし、炭素の偉功も学ばれることと信じて疑はぬ。

 横田は、この本の素材を、自ら買い集めた膨大な古書によっていますが、現代の我々は、そのいくつかをインターネットを介して閲覧可能です。例えば、炭素太功記は、国会図書館デジタルコレクションで読むことができます。