「感染が拡大している地域への観光と、そうした地域からの旅行の両面を、行く場合と来る場合と、発着で止める必要があるのではないか、そうした全国的な視点、両方から止めるということについては、全国的な視点から国が判断を行うということが、筋ではないかというふうに考えております」

 これが11月28日の段階における小池都知事の発言であり、その論拠から「国が判断すべき」と強く主張したわけです。

よく考えると見えて来る
「停止」と「自粛」の効果の違い

 そして、逼迫する医療現場の悲鳴を受け、急遽菅首相と小池都知事の会談が行われたわけです。そこで都知事は、東京におけるGo Toトラベルの一時停止の判断を国に求めたということです。しかし、国は停止判断をしなかった。これが冒頭にお話ししたトップ会談の結果でした。

 国の主張では、単なる自粛でも感染拡大防止にとっては一定の抑止策になるといいます。制度の細部は会談を受けて観光庁が急ピッチで詰めている最中ではありますが、論理的には自粛か停止かで、次のような違いが出てきます。

 制度が一時停止になると、その期間に予定していた旅行に出かけても割引が受けられなくなります。だから、キャンセルが相次ぐ。そのキャンセル料は国が負担する方向で、キャンセルを促すように舵をとる。これが一時停止です。

 一方で自粛の場合は、旅行を決行した場合、行き先が大阪か札幌でなければ割引は予定通り受けられます。ただし、高齢者が不安を感じた場合、中止にしてもキャンセル料は政府が負担してくれます。そうなると若者は、予定通り12月から1月にかけて旅行を楽しみ、高齢者の一部だけが旅行をキャンセルする方向にインセンティブが働く。これが自粛で起きることです。