アクリル板を巡って失言の過去
問われるべき小池知事の言行不一致
小池知事の言行不一致については、同じ11月19日の緊急会見において、他にも見受けられた。
小池知事はこの日の会見で、「例えば会食の際のお部屋の広さであったり、アクリル板が置いてあるかどうかとか(中略)、換気の良いお店ということで、お客さんを安全にお迎えいただければというふうに思います」と述べ、会食で客同士の飛沫が飛び交うのを防ぐアクリル板の設置の重要性を訴えている。
だが7月3日の会見では「アクリル板を作ってすき焼きを食べて、おいしいかっていうのはよく分かりませんけれども」と笑いながら話していた。感染予防対策に取り組む飲食店のことを考えれば、極めて不適切な発言であることは言うまでもない。
しかも、この日の記者会見でのやり取りを掲載した都のホームページでは、この発言だけが記載されておらず、東京新聞が批判した(https://www.tokyo-np.co.jp/article/49659)。
なお、11月19日の会食について、小池知事の事務所にファックスで問い合わせたが、期日までに回答はなかった。電話も一切つながらなかった。
都内のコロナ新規感染者数は12月3日、533人と高い水準であり、重傷者は54人だが、今後も新規感染者が増えれば、じわじわと増加する可能性が高い。また島しょ部を除く都内では11月28日から、飲食店やカラオケ店などの午後10時までの時短営業の要請が始まり、休廃業の危機が再び強まっている。
小池知事は、都民に「5つの小」を呼びかけたその夜に、条件にそぐわない会食に自ら参加していたことになる。
危機的な状況の下、都のコロナ対策を預かるリーダー自身による言行不一致は、その責任を問われてしかるべきだろう。