オリックス宮内氏が会食同席を認める
出席者は「年寄りばっかりだから」

「もう20年ぐらいずっと続いている定例会でね。コロナの前は、年に2、3回ぐらいやっていたかな」――。こう話すのは、金融大手オリックスの宮内義彦シニア・チェアマンだ。小池知事が会見で「5つの小」を呼び掛けたまさにその日の夜、小池知事や宮内氏ら5人で会食したと、ダイヤモンド編集部の取材に認めた。定例会のメンバーは計6人だが、1人が病気で欠席したという。

 宮内氏は、総合商社の日綿實業(現双日)からオリックスの前身であるオリエント・リースに転じ、1980年に社長、2000年から14年まで会長を務めたほか、政府の総合規制改革会議で議長を務めた大物財界人だ。

 宮内氏は小池知事と同じ兵庫県出身で、小池知事が中退した関西学院大学の出身。同大学OBの重鎮であり、宮内氏によると、小池知事が92年に参議院議員に初当選した選挙で応援をするなど、付き合いは長い。

 今回の会食を呼び掛けたのは宮内氏で、時間は2時間程度。小池知事は遅れて途中から加わったといい、自身の参加は“小一時間”だったのかもしれない。「政治とは全く関係ない、たわいもない話しかしなかった」と宮内氏は振り返る。

 ただ、参加者が小池氏を加え5人であることをどう考えるか。厚生労働省は2月26日に全国の自治体に送った通知で、クラスターについて「当面の間接触歴等が明らかとなる5人程度の発生を目安とする」と定義している。

 また、政府の飲食店への支援策である「Go Toイート」の利用については、コロナ感染防止の観点から、当の東京都や大阪府など9都道府県が「原則4人以下」との制限を設けている。

 5人の会食であれば、都内でのGo Toイートの対象外であり、全員がコロナに感染すればクラスターとなってしまう規模である。

 また1952(昭和27)年生まれの小池知事は68歳、1935(昭和10)年生まれの宮内氏は85歳と、れっきとした高齢者だ。宮内氏は会食のメンバーについて「年寄りばっかりだから」と話していた。

 小池知事はこの日の会見で「高齢者の患者さんの数が増加しております。高齢者をはじめとして、例えば糖尿病の持病がある方、心血管疾患、呼吸器疾患など、これらの基礎疾患のある方は、会食はできるだけお避けいただいた方がいいです」とも話していた。宮内氏は「小池さんは義理で来てくれたのかもしれない」と慮るが、なぜその足で、85歳の宮内氏がいる会食に自ら出かけて行ってしまうのか。