『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が10万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏「著者の知識が圧倒的」独立研究者の山口周氏「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。(イラスト:塩川いづみ)
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

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[質問]
 調べる内容の「幅」を広げるにはどうすればいいのでしょう?

 読書猿先生のようなジェネラリストになるには、どうすれば良いのでしょうか。

 研究とまでは行かないのですがある分野を開拓している際に、どうしても局所的、専門的な方に開拓方向が向いてしまいます。

 基本を押さえるなら一般的な情報を詰めた方が、と思いますが、このような方向を主軸にして開拓している方は殆ど見られません。そう言う私も一般的に物事を調べる、開拓するといった思考、手続きが想像も付きません。

いきなり文献にあたらず「これは何の一種か?」と考える

[読書猿の回答]
 ジェネラリストと言えるか分かりませんが、調べもの、探しものの基本に関わる事項としてお話します。資料の「扱う範囲の広さ」と「説明の詳細さ・専門性」はトレードオフすることが多いので、これを利用して概要的な文献を入手します。

 例えばヘミングウェイについて調べようと「ヘミングウェイ」をそのまま検索語にすると、専門的な文献が集まります。専門性の高い文献はヘミングウェイのある側面を掘り下げたもので、ヘミングウェイの概要を知るには向きません。

そこで「ヘミングウェイは何の一種か?」と問い、上位概念である「アメリカの小説家」や、さらに上位概念の「文学者」という切り口を得ます。

 簡単化のために事典に話を絞ると、専門的な『ヘミングウェイ大事典』ではなく、より広い範囲をカバーする『英語文学事典』『世界文学事典』を使う訳です。

『独学大全』では、このアプローチをシネクドキ探索と読んでいます。シネクドキとは、上位概念を下位概念で、または逆に下位概念を上位概念で言い換える比喩表現(桜を見ることを「花見」というような)のことです。