Q3. 新規事業が成功しやすい領域はどこか。飛び地だと強みが生きにくい一方で、既存領域だとしがらみを超えられない

 一般的に、その会社にとってのコア事業に近いほど新規事業の成功率は高い。自社が保有するアセットやオペレーションを活用でき、ビジネスインパクトも検証しやすいからだ。

 ただし、コア事業に近い領域にもハードルはある。典型的な例は、質問文にもある通り、既存事業とのしがらみだ。「カニバリゼーションが起こる」と内部から反発されたり、協力を得られなかったりするケースは多い。

 しかし、真の意味で変革を目指すのであれば、短期的に既存事業に影響が及ぶことは回避できない。イノベーティブな企業の多くは、既存事業を自らディスラプトするようなリスクを取りながら、今日まで生き残ってきた。カニバリを恐れるあまりに、自社が持つアセットを十分に活用できないのであれば、その会社ならではの新規事業が生まれることはないだろう。

 社内のしがらみを解決するには、何よりもトップ・リーダー層の理解や協力が欠かせない。トップ層が取るべきアクションは、大きな意思決定を下したうえで、現場が動きやすい状況をつくってあげることだ。たとえば社内の関連部署の巻き込みや、露払い(あらかじめ想定される障害を取り除いておくこと)、外部リソースの確保や人材採用などが挙げられる。こういった立ち回りは、会社経験の長いリーダーだからこそ強みを発揮すべきところで、現場任せにすべきではない。

 もし、社内のしがらみのせいで変革が進まないとしたら、それは現場の責任ではなく、トップ層によるところが大きいと考えるべきだろう。繰り返しになるが、大きな方針を打ち出し、社員の目線を揃え、新しい道に進ませるのはトップの仕事である。