全般にソフトなテイストの中でやや異質に感じられたのが、減速時のエネルギーを最大限に回収するために、バイワイヤー式とされた回生協調ブレーキのフィーリング。ペダルタッチは剛性感に富み、減速Gの立ち上がり遅れが皆無なのは美点だが、「違和感につながらないギリギリのポイント」という印象だった。

 車両重量が60kgほど軽いこともあり、動力性能はやはりFF仕様の方が明確に軽快。と同時に、FFを積極的に推奨したくなったのは、4WD仕様には高速クルージングでやや不快なノイズを感じるシーンがあったから。路面によって、90km/hを超える付近から時に低周波のドラミングノイズを強く感じた。FFでは気にならないこの現象は開発陣もすでに認識していて、原因は「特定路面でタイヤが発する空洞共鳴音」だという。そこまで解明されていれば近いうちに対策が施される可能性は高い。

 いずれにしても、すでに定評ある“本流”のSUVモデル群、CXシリーズに対して、新たな試みが市場にどのように受け入れられるのか?

 マツダ期待のニューカマーである。

(CAR and DRIVER編集部 報告/河村康彦 写真/小久保昭彦)

CAR and Driverロゴ