38万部超のベストセラー『餃子屋と高級フレンチ』シリーズでおなじみの著者・林 總氏の最新刊『たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる! 会計の教室』がダイヤモンド社から発売になりました。本連載では、同書の中から抜粋して決算書を読み解くために必要な基本の知識をお伝えしていきます。登場人物は、林教授と生徒の川村カノンの2人。知識ゼロから始めて、いかにして決算書を読み解くスキルを身につけていくのか? 川村カノンになったつもりで、本連載にお付き合いください。

キャッシュフロー計算書は、<br />3つに分けると<br />簡単に理解できるPhoto: Adobe Stock

キャッシュフロー計算書は、
一年間の現金の流れを表している

林教授 一年間の現金収支を「ビジネス」と「現金製造機」と「財務」に再編成したものが「キャッシュフロー計算書」なんだ。

カノン えっと、ちょっと考えさせてください……。そうか、「お金のダム」を中心にして、現金の収支をこの3つのグループに分けるのですね。

林教授 そうだ。最初のグループは「ビジネスプロセス」。ここに対する1年間の現金収支が「営業キャッシュフロー(営業CF)」だ。
2つ目は「現金製造機」に対する現金収支で「投資キャッシュフロー(投資CF)」。
3つ目は「財務」に関わる資金の収支で「財務キャッシュフロー(財務CF)」という。

カノン 具体的な例で教えていただけませんか?

林教授 それでは、小規模な飲食店はどうかな。1ヵ月間の売上収入と、食材の仕入代金、人件費、家賃、電気代などの支払いとの収支差額が「営業キャッシュフロー」だ。
次に、厨房の冷蔵庫、ガスレンジ、調理機器、フロアのテーブルや椅子を購入するために使った現金が「投資キャッシュフロー」。
そして、株主が振り込んだ資本金や銀行からの借入金収支が「財務キャッシュフロー」だ。どう、イメージは湧いたかな?

カノン はい、よくわかりました。

林教授 では、前回説明した以下の水路の図を「営業キャッシュフロー」と「投資キャッシュフロー」と「財務キャッシュフロー」の3つに分けて説明しよう。