刑事生活20年。ガサ入れ、犯人確保、張り込み……
修羅場という修羅場を潜り抜けてきた元警部による
「心を強く保つ習慣」。
常に死と隣り合わせの環境下で巨悪と戦い、人を疑い、
時には一般人に罵倒されながらも正常な心持ちで戦うために
開発してきた、圧倒的自信と活力が楽しく備わる
最強メンタルメソッド……
その名は、「刑事(デカ)メンタル」!
★人間関係の悩みやストレス、不安を抱えているすべての人へ
・緊張で心臓のドキドキが止まらない
・人の目が気になる
・失敗したらどうしようと不安になる
・勇気が欲しい!
・人と話すのが苦手だ
・恥ずかしい気持ちを引きずってしまう
・自信がない
・もっと強くなりたい!
・やる気が出ない
・本番に弱い自分が嫌いだ
ーーそんな人でも「刑事(デカ)メンタル」があれば、いやでも前向きになる!

歯医者Photo: Adobe Stock

過去の失敗を思い出さない

「ウソ発見器」をご存じだろうか? ポリグラフと呼ぶが、脳波・脈拍・血圧・発汗などを同時に記録できる装置で、心の動揺を身体的現象から測定し、診断に役立てるものだ。

 検査は科学捜査研究所、通称「科捜研」の検査官が容疑者に質問してその反応を見る。すべての質問に対して「いいえ」と否定してもらうのがルールだ。

 容疑者に「殺したのはあなたですね」という質問をすると、「いいえ」と答えなければならない。おのずと動揺する。その結果、針は大きく振れることになるのだ。

 ちなみにウソ発見器は取り調べを始める前にいきなり使うのが常だ。取り調べでいろいろ聞いてしまった後では何を聞かれるかわかってしまうため、純粋な反応かどうか判断しにくいのだ。

 あるとき、検査官に「動揺しないでいることはできるか?」と尋ねたことがある。

鉄の心臓になるしかないですね」
「鉄の心臓とは?」
「基本的に質問は過去について聞きます。事件は過去の出来事だからです。つまり都合の悪い過去を忘れて無になり、動揺しない鉄の心臓になるしかないですね」

 要するに「過去の行い=失敗を頭から消す」ことで動揺は消せるというのだ。

 それ以来、オレも現場で動揺しそうなときは過去の失敗を思い出さないようにしたものだ。ビビりや心の動揺は我々人間にはつきものだ。それも過去の失敗経験が原因でそうなる場合がある。そんなときは嫌なことがあった過去を忘れてみるといい。心の動揺は抑えられるはずだ。