「あの人、ちょっと苦手だな」と思ったら?
──「相手の視点」を獲得する

――ネガティブな感情からヒントを得ることが多いと、自分や他人のネガティブな感情にも寛容になれますか?

藤原 それはありますね。そのためにはまず、自分の嫌なところとかネガティブな感情をちゃんと言葉にして、自分を認めてあげることが大事だと思うんです。

 たとえば同級生が仕事で大成功してお金持ちになったのに嫉妬してしまったら、モヤモヤした思いをちゃんと言葉にすると、ちょっとスッキリするはずです。それでも自分がいい人ぶっていたら、そんないい人に見られたい自分も認めてあげる

 そうすると、だんだんバカバカしくなってきて、客観的に物事を見ることができて、そうしてやっと面白いアイディアの発想につなげられます。

【藤原麻里菜】ネガをポジに反転させる思考法

──SNSの世界にも、職場にも、ネガティブなことを言う人はいます。ネガティブな自分を認めると、「あの人、嫌だな。ちょっと苦手だな」という相手にも寛容になれるものでしょうか。

藤原 自分のネガティブな感情を客観視するのと同じで、たとえ自分にとっては嫌なことをする人たちがいても、できればそんな人たちのことも理解したいなと思っています。

 でも自分と他人は基本的に違うので、すべてを理解することはできません。だからといって、あきらめたり、嫌な気分のまま終わるんじゃなくて、「こういう人もいるんだな」「こういう視点で考えてるのかな」って考えてみる。

 そうすることで、自分の視点を増やせると思うんです。自分だけのものの見方じゃなくて、いろんな人のものの見方を獲得していくことができる。

【藤原麻里菜】ネガをポジに反転させる思考法YouTubeチャンネル「無駄づくり」より

モヤモヤは発酵させて、アイディアにつなげる

――自分や他人のモヤモヤした気持ちやネガティブな感情に接したときは、メモしたりされるのでしょうか。

藤原 最初はそこまではっきりとは気づかないんです。でも、同じようなことがあってモヤモヤが溜まってくると、やがて爆発しそうになる瞬間がくるので、それから何かつくれるかどうか、考えはじめます。

 アイディアってパッとひらめくイメージがあると思うんですけど、無意識のうちに感じているストレスって、すぐには気づかないじゃないですか。だから、私は毎朝必ず時間をとって、考えるスイッチを入れるつもりで、最近の自分の一番のストレスは何か思い出すこともしています。

 そして、「必ず1日1つだけノートに書く」って決めているんです。2つも3つも書いてしまうと、次の日に「昨日は多く考えたから今日はいいか」と、サボってしまう気持ちが出てくるかもしれないので。必ず1つだけ書いて、他のアイディアは次の日も覚えているくらい良いアイディアだったら、次の日に書くようにしています。

――1日1個だけと決めることで、毎日考える習慣が身につくんですね。

藤原 はい、わたしの場合ですが。今日考えたアイディアを1つ書き終えると、次の瞬間から明日書くアイディアを意識しはじめるので。仕事しているときも、電車に乗っているときも、スーパーで買い物しているときも、頭のどこかでずっと考えながら生活しているみたいな感じです。