トリクロサンの危険性

 特に、一般的なハンドソープや消臭剤、うがい薬、歯磨き粉、衣類、カーペット、おもちゃ、ゴミ袋等々の抗菌製品に含まれるトリクロサンは、2012年8月、カリフォルニア大学デービス校の心血管医学の教授及び研究者によって、筋肉の機能低下をもたらすと発表されるなど物議を醸しています。しかしながら、日本では人体への使用規制がなされていないため、多くの製品に使用されています。(化学物質審査規制法「第三種監視化学物質」に指定され、環境への毒性に関する注意喚起のみ。)

 このトリクロサンが細胞レベルで筋肉の収縮を妨げることは、マウスやファットヘッドミノー(以下ヒメハヤ)という魚の仲間にトリクロサンを与えて心臓の活動や運動能力を、トリクロサンを与えない場合と比較するカリフォルニア大学デービス校の実験から明らかになっています。この実験によれば、マウスでは心臓が送る血液量が最大で25%減少し、握力も18%低下し、ヒメハヤでも遊泳能力が落ちるという結果が見られたそうです。この事実はNational Academy of Scienceの電子版(米科学アカデミー紀要)(*)にも掲載されています。
(*)http://www.news.ucdavis.edu/search/news_detail.lasso?id=10301 

原材料を過去、現在、未来の<br />3つの要素で評価するアメリカ環境保護庁の認定ロゴ。

 また、パッケージにはリサイクルされたプラスティックや紙を使用しています。EPA(米国環境保護庁)のDfE(デザイン・フォー・エンバイロメント)と呼ばれる認定をすべてにおいて取得し、Cradle to Cradleの企業認証および製品認証を積極的に取得することを推進しています(連載第2回を参照)。