総務官僚がNTT・東北新社を「接待する側」だったと考えられる納得の理由参議院予算委員会での答弁に臨む総務官僚。左から総務審議官を更迭された谷脇康彦官房付、吉田真人総務審議官、秋本芳徳官房付、湯本博信官房付(3月8日撮影) Photo:JIJI

NTTや東北新社による総務官僚の接待が大問題となっているが、一連の接待問題には大きな謎がある。許認可に影響力を持つ立場でNTTや東北新社から接待を受けることは、総務官僚としてはリスクが大きすぎてメリットに全く見合わない。それなのになぜ接待を受けたのか、という謎だ。しかし、実質的には総務官僚の側が接待したのだと考えると見通しが良くなるのだ。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

全ての人が気をつけなければならない
三つの「せ」

 立場のある人は、三つの「せ」にくれぐれも気をつけなければならない。

 第一の「せ」は、「セクハラ」(セクシュアル・ハラスメント。性的嫌がらせ)の「せ」だ。企業も官庁も世間もセクハラには極めて厳しいし、その厳しさが年々強化されている。加えて、セクハラはどうにも格好が悪い。

 セクハラで立場を失った人は政治家、高級官僚、企業人など複数分野で多数思い浮かぶ。本人にその意識がない場合でもセクハラと認定される場合があるし、セクハラを使ってライバルなどを意図的に陥れるケースもある。

 筆者がビジネス上で知っている人物でも2人ほど、他人が仕掛けたセクハラの罠に引っ掛かって職業上のポジションを失った。「セクハラを疑われる可能性のある相手とは、決して2人だけで食事に行かない」というくらいの用心深さが、今やビジネスパーソンの常識だ。