このコロナ禍では、成長を目指すだけではなく、ムダを省き、筋肉質な経営を目指さなければいけません。リモート経理を導入できれば、「コスト・働く時間」を劇的に少なくすることができます。経費精算のためにわざわざ出社していては、時間とお金をドブに捨てているようなもの。そもそも経理とは「経営管理」の略称。「営業」が会社の攻めを司る剣なら、「経理」は守りを固める盾です。右肩上がりの時代はどこの会社も営業重視でしたが、コロナ禍では経理がいっそう重要になりました。
本連載は、「リモート経理を導入するためのノウハウ」を紹介するものです。著者は「会計とITの融合」を得意とする税理士、井ノ上陽一氏。『リモート経理完全マニュアル 小さな会社にお金を残す87のノウハウ』を出版し、「いつでも・どこでも・誰でも」安心に経理業務ができるメソッドをあますところなく伝えています。
銀行振込のために出社するのはやめよう
リモート経理に欠かせないのは「ネットバンク」です。
ネットバンクとは銀行が提供するサービスで、インターネットで明細を確認でき、振込もできます。
各銀行がネットバンクサービスを提供しており、それぞれ使い勝手が違います。ネットバンクの利用手数料もまちまち。メガバンクだとそれなりの金額がかかる場合も多いです。
ただ、利用手数料がかかるとしても時間を買うためには欠かせない投資と考えましょう。
なお、ゆうちょ銀行であれば利用手数料はかかりません。デメリットとしては、節税の1つである経営セーフティ共済の手続きに使えないことです。
経営セーフティ共済とは、最大月20万円の掛金で、全額経費にできる共済制度です。もし、取引先が倒産等をした場合には、掛金の10倍までを借りることができます。
また、40ヵ月掛金を払えば、解約しても100%戻ってくるので、使い勝手もいい制度です。
金融機関が窓口になっており、その窓口に、ゆうちょ銀行やインターネット専業銀行(実店舗がない銀行)は、指定されていません。