逆にあなたが、「このチームには必要ない」と判断したのなら、人事部に相談するなどして、その部下に「異動してもらう」ことを考えるべきです。

 しかし、諸事情で、簡単に異動ができないケースもあるでしょう。その場合はチームの一員として、それなりの結果が出せる人材へと育てていくほかありません。先ほどの「必要」と判断したときと同様に、「関係修復を図り、育てる」という方向に舵を切りましょう。

上司の接し方が、
部下のやる気に大きく影響する

 上司に心得てほしいことは、部下を「異動させる」という意思決定はあくまで最終手段だということです。「他にやれることはないか」、まず自分に問いかけてください。

「最終的に異動してもらった部下が、異動先の部署の上司のもとで、水を得た魚のように見違えるように働いていることに驚いた」、という話を聞いたことがあります。その方は、上司として自身の働きかけが不十分だったと反省していました。

 実は「裏でコソコソ」部下は隠れたハイパフォーマーで、あなたの働きかけが部下の「やる気スイッチ」にふれなかったので、その能力が発揮されなかった可能性があるのです。

 さて、あなたは部下の「スイッチ」を入れられているでしょうか。

 もちろん、人間には相性があります。たとえあなたがその部下のスイッチを入れてあげられなかったとしても、それほど落ち込む必要はありません。ただし、その部下が「別のリーダーのもとでなら、スイッチが入った」という事実に目を向けることは大切です。

 相手が自分にどう接するかによって、人の態度は意外と変わるものです。例えば、「お前なんかに期待していない」という気持ちで部下に接していれば、それは部下に伝わります。それによって、部下のやる気はそがれます。また、人間の心理として、自分を承認してくれない相手に対しては一般的に不満を持ちがちです。

 つまり、「裏でコソコソ部下」をつくり出していたのは、上司であるあなたの接し方にあるかもしれないのです。

 その意味で、部下に対してポジティブなスイッチを入れられるのも上司なら、ネガティブなスイッチを入れてしまうのも上司なのです。

 修復ができないほど関係が悪化してしまった部下に対しては、チーム全体の利益を守るために「排除」という選択肢を取らざるを得ないときがあります。

 その一方、上司である自分の接し方次第で、部下はやる気に満ちた人材、チームに貢献してくれる人材にもなれば、やる気のない人やチームにマイナスの影響を与える人にもなるという事実を、常に心に留めておいてください。