大塚商会なしでは業務が
運営できなくなる仕組み

 中小企業という存在はこのIT時代、なかなか苦しいものです(自分の会社がそうなので、肌で感じています)。ITはどんどん進化していきます。取引先からは新しいIT手法で取引を望まれることもあるでしょう。でも中小企業には、ITの専任担当者を置くほどの余裕はありません。いまいる従業員にしても、ITリテラシーはそれほど高くないはずです。

 そういう企業にとって、IT回りを一手に引き受けて相談に乗ってくれる大塚商会は頼れる存在です。最初はコピー機だけの付き合いだったものが、うちにもそろそろそれなりのPCやサーバーが必要だね、となる。とするとそれを動かすためのソフトウェアも買わなければ、となります。

 外出が多い営業スタッフには携帯端末が必要だし、外からサーバーにアクセスするためにはVPNを整備しなければならないが、とするとその安全性を担保するためのセキュリティソフトウェアも必要だ……。大塚商会にお願いする商材は、どんどん広がっていきます。最終的には大塚商会なしでは、業務運営が成り立たなくなってしまうのです。

 大塚商会にとっては、顧客一件一件は小さな取引でも、支店地域内に十分な顧客数が確保できてしまえば、巨大なコストをかけて張り巡らせた支店網がその力を発揮し、各顧客に効率よくサービスを提供することができます。お客さんの数が増えれば増えるほど、そしてお客さんに提供する商材が増えれば増えるほど、この巨大な「共有コスト」が薄まって利益に転じていきます。

 ちなみに大塚商会の営業利益率は、おおむね7%と販売業としてはかなり高い水準です。別のデータを見てみると、この15年で一人当たり売上高は2倍の7500万円になり、一人当たり営業利益は6倍の465万円になったという驚くべき経営実績です。この水準の高さを実感してもらうために複合機関連の製造業と比較してみると、製造業平均は一人当たり売上高は2000万円、営業利益は115万円程度です。

 大塚商会は製造付加価値を取らずに、一人当たり売上高はメーカーの3倍以上、一人当たり営業利益額は約4倍の数字ですから、大塚商会の収益創出力がいかに高いかが理解できると思います。働く人にとって優しい企業でもあります。年間休日を10日も増やす一方で、平均給与は15年で1.4倍になっているのです。

(本原稿は『経営者・従業員・株主がみなで豊かになる 三位一体の経営』の内容を抜粋・編集したものです)