「もっとも集中ができない場所」はどこ?

そして、もうひとつ、重要な研究結果があります。

「1つのことを深く集中して考えるためには、準備段階だけで23分かかる」

そう言われています。

それなのに現代人は、平均で11分に1回は人から話しかけられることや、メールやチャットの着信音によって、集中するまでの23分を脅かされているのです。

また、私たちの研究では、さらに衝撃的なことがわかりました。

それは、人がもっとも集中できない場所が、実は「オフィス」だったということです。

我々の集中の邪魔をするのは、もっぱら「同僚」と「スマホ」で、オフィスでは仕事について1人で深く考えることすらできません。

同時に2つ以上の課題を処理できない脳を持つのに、こうした課題に向き合わずに、なんとなく「労働時間を削減しなければ」と、漠然と進められてきたのが、日本がこの数年ずっとやってきた「働き方改革」というものでした。

仕事のアウトプットは、「時間×パフォーマンス」です。

しかし、これまでは時間のデータしか定量化してこなかったので、「今月は、誰が45時間以上残業しているかな?」という議論ばかりがおこなわれています。

ただ、すべての「時間」は同等の価値では絶対にありません

グーグルの元プログラマーだったアラン・ユースタスは、次のように語っています。

“一流のエンジニアは、平均的なエンジニアの300倍の価値だ。ビル・ゲイツに言わせるとさらに過激で、優秀なソフトウェアプログラマーには平均的なプログラマーの1万倍の価値がある。”

つまり、ある人の1時間の価値は、下手をすると他の人の1万倍以上である可能性があるというのです。

これは、個人の中でも起こり得ます。

たとえば、私は夜型人間だと思って20代の頃を突っ走ってきましたが、遺伝子検査をしたら、朝型遺伝子を持っていることがわかりました。

自分で計測してみても、朝のほうが確実に集中しているという結果が出ました。

それによれば、朝の1時間は夜の3時間分のクリエイティビティがあるということだったので、頭を使う仕事ほど朝にこなすほうがよいということになります。

実際にそのような習慣にすると、パフォーマンスが上がり、結果的に残業も減りました。

つまり、仕事の成果は、タイムマネジメントをして「集中をどう制するか」にかかっているのです。