歴史がそれを証明している。明治維新を支えたのも、最近でいえばカネボウやJALの再生を先導したのも、言ってみれば課長クラス、私の言葉で言えば「ミドルリーダー」(組織階層上はミドルマネジメントクラスだが、トップマネジメントの視点で考え、行動し、会社全体を正しい方向へ動かそうとする人材)と呼べる人々だった。逆に言えば、課長クラスの人たちが頑張らないと、今の日本の組織、もっと言えば日本社会は変わることができない。
では、なぜ課長がキーパーソンになり得るのか。主に2つの理由がある。
第1に、重臣よりも身軽で動きやすいこと。第2に、現場であるフロントラインと、役員などの上層部の両方から1次情報がとれて、あらゆることの実態をつかみやすいこと。また、そんな課長の立ち位置を熟知している名君は、目端の利いた課長クラスを重用するものである。
大きな変化が起こるときは、上層部でそういう志をもって動いているリーダーがもちろんいるわけだが、上と下の力がうまく共鳴しないと社会を動かす歯車は大きく転回しない。特に日本の組織は、共生型・共同体型ムラ組織のため、トップダウンで上から改革を進めようと思っても、なかなか変わらない。ミドル層にいるリーダー型人材、つまり“ミドルリーダー”こそが、日本型改革のエンジンなのだ。
将来の日本を拓くべき課長クラスにエールを込めて、なぜ若いときからリーダーシップを発揮する必要があるのかという理由と、リーダーとして押さえておきたい思考法や戦略・組織論を新刊『結果を出すリーダーはみな非情である』にまとめた。本連載では、本書のエッセンスのみ紹介していくので、詳しくは本書を参照願いたい。
(次回は10月30日更新予定です。)
<新刊書籍のご案内>
結果を出すリーダーはみな非情である
30代から鍛える意思決定力
人間の醜悪さを内包する
リアルな経営を前提にした、
悪のリーダーシップ論!
明治維新も第2次大戦後の復興も、革命の担い手はいつの時代も、企業でいえば課長クラス、ミドルリーダーだ。日本も今の混迷期を脱するには、ミドルリーダーの踏ん張りが欠かせない。社長も含めて上司をコマとして使い、最大の成果を上げる程度のハラは必要だ。自分がトップのつもりで考え行動するリーダーにとって不可欠な、合理的思考とそれに基づく意思決定力の鍛え方とは?
ご購入はこちらから! [Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb] [楽天ブックス]