発達障害のひとつであるADHD(注意欠陥・多動症)の当事者である借金玉さん。早稲田大学卒業後、大手金融機関に勤務するものの仕事がまったくできずに退職。その後、“一発逆転”を狙って起業するも失敗して多額の借金を抱え、1ヵ月家から出られない「うつの底」に沈んだ経験をもっています。
近著『発達障害サバイバルガイド──「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』では、借金玉さんが幾多の失敗から手に入れた「食っていくための生活術」が紹介されています。
働かなくても生活することはできますが、生活せずに働くことはできません。仕事第一の人にとって見逃されがちですが、生活術は、仕事をするうえでのとても重要な「土台」なのです。
この連載では、本書から特別に抜粋し「在宅ワーク」「休息法」「お金の使い方」「食事」「うつとの向き合い方」まで「ラクになった!」「自分の悩みが解像度高く言語化された!」と話題のライフハックと、その背景にある思想に迫ります(イラスト:伊藤ハムスター。こちらは2020年9月6日の記事の再掲載です)。
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発達障害の僕が発見した「後悔とともに日曜が終わる人」に足りないたった一つの考え方

休日を「帳尻合わせの日」にしていないか?

 仕事に疲れ果てて。それでもなんとなく眠りにつくことができず夜更かしをしてしまって、目が覚めたら窓の外から夕暮れのチャイムが聞こえてきた日曜日。

 僕はそんな休日をたくさん過ごしてきた気がします。本当はやりたいことはたくさんあったし、やるべきこともたくさんあった。スーツもクリーニングに出したかったし、部屋も掃除したかった。久しく会ってない友人と遊んだりもしたかった。でも、そんな休日はもうほとんど終わりかけている。

 そして、また眠れない夜がやってくる。別に何か建設的なことをするでもなく、スマホを眺めてぼんやりと過ごすうちに気づけば時間は朝方で、慌てて布団にもぐりこむ短い眠りではまるで疲れが取れないまま、またあなたは月曜日と戦う羽目になる。

 そういうことってありますよね……。

 僕がこれまで何度も何度も述べてきたことですが、「人生において最も重要なスケジュールは休息である」これは絶対に揺らがないひとつの事実です。僕らは「1ヵ月のうちどの日を休養にあてるのか」を決めるところから始めるべきなのです。

 働かなくても人間は休むことができますが、休まなければ働くことはできません。つまり、休む技術というのは働く技術に先立って必要な、人生における最重要要素のひとつだということです。

 しかし、僕も含めた多くの人が「休日」を「休息の日」ではなく、「日常のさまざまな帳尻を合わす日」として運用してしまっているのは事実でしょう。やり残した仕事、雑多な家事、些細な頼まれごと。そういったものは、油断すると梅雨時の水虫のように我々の休日にとりついて、侵食してしまう。

 僕の経験上、純度100%の休養日は1ヵ月に最低2日は必要です。可能なら4日くらい取れると人生がだいぶラクになります。そして、純度100%の休養日を確保するためには必然的にスケジュールの調整が必要になってくることにあなたは気づくはずです。

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