リモートワークが長期化している今、わかりあえない上司と部下の「モヤモヤ」は最高潮に達しているのではなかろうか。さらに、経営層からの数字のプレッシャーが高まる一方で、部下にはより細やかなマネジメントが求められる。仕事を抱え込み、孤立無援のマネジャーたちの疲弊度も限界にきている。そこで今回、「HRアワード2020」書籍部門 最優秀賞を受賞した『他者と働く』著者・宇田川元一氏が最新刊『組織が変わる――行き詰まりから一歩抜け出す対話の方法 2 on 2』で、新しい対話の方法「2 on 2」を初公開。本日、日経新聞にも掲載された。早くもこんな感想が届いている。
早速夜更かししそうなくらい素晴らしい内容。特に自発的に動かない組織のリーダーについてのくだりは!
読み始めていきなり頭をパカーンと殴られた。慢性疾患ってうちの会社のこと? すべて見抜かれている
『他者と働く』が慢性疾患の現状認識ツールなら、『組織が変わる』は慢性疾患の寛解ツールだ
言語化できないモヤモヤの正体が形になって現れる体験は衝撃でした
職場に活気がない、会議で発言が出てこない、職場がギスギスしている、仕事のミスが多い、忙しいのに数字が上がらない、病欠が増えている、離職者が多い……これらを「組織の慢性疾患」と呼び、セルフケアの方法を初めて紹介した宇田川氏。我々は放置され続ける「組織の慢性疾患」に、どんな手立てを講じられるのだろうか。著者の宇田川氏を直撃した。

困りごと
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何に困っているのかわかりにくい

 本書では、ビジネスパーソンの4つの課題(悩み)を紹介しました。

1.時間がない
2.成果が必要
3.何に困っているのかわかりにくい
4.問題扱いされたくない

 今回取り上げる、3番目の「何に困っているのかわかりにくい」は、2番目の「成果が必要」とも重なります。

 私たちは何に困っているのか。表向きのロジックと実際の困りごとが乖離するケースが多々あります。

 たとえば、「デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を進める必要がある」と経営者が思ったとき、経営者はDX自体に困っているのではありません。

 経営者の悩みは、新規事業の打開策を見つけたい。デジタル化が遅れているが、実際何から手をつけたらいいかわからない。過去の改革もかけ声倒れでみんなが動いてくれなかった。だから、DXに鉱脈を見出したいのでしょう。

 ところが、こうした困りごとは、モヤモヤしているので、一体自分が何に困っているのかわからず、どこから手をつけたらいいかはっきりしません。

 手っ取り早い解決策やトレンドを課題と位置づけ、本当の困りごとについて掘り下げずに物事を進めてしまいます。

 その結果、世の中のトレンドにはなっているが、自社にとって本当に意味があるのか不確かな改革に大金をつぎ込み、現場が振り回されて疲弊する悪循環は枚挙に暇がありません。