まずは客数を分解する。
コンビニは、通行者が多いところでなければお客さんは増えない。なぜなら、「遠くの○○町のコンビニに行く」というような「わざわざ行く目的地」にはなりにくく、「ふらっと寄る」特性があるからだ。つまり、何人通行するかという「通行者数」が要因になる。
また、通行者が全員コンビニに入るわけではないので、何人が入店するかという「入店率」を掛ける。さらに、入店した人がすべて商品を購入するわけではないから、何人が購入したかという「購入率」を掛ける。
そうすると、客数は「通行者数×入店率×購入率」のかけ算になる。
客数を増やすためには、「通行者数を増やす」「入店率を増やす」「購入率を増やす」の3つの選択肢が生まれたことになる。
ここまでは、ただの計算式。重要なのはここからだ。
通行者数は、ビジネスで言うところの「商圏」のことなので、通行者数が多い立地であることが何よりも重要である。すでに立地が決まっている場合、通行者数を増やすのは難しいが、たとえば宅配ビジネスを取り入れることで、「商圏そのものを広げる」という発想にもつながる。
入店率は「通行した人がお店に入ってくれるかどうか」なので、お店の前に看板やポップを用意して、季節ものの商品や特別な商品をアピールすることで、入店率アップを狙えるかもしれない。
購入率は「入店した人が商品を購入するかどうか」なので、いい商品があるかが最も重要ではあるが、「お店の中の導線が適切か」とか「清潔に掃除されているか」なども要因になるかもしれない。
こうして客数を3つの要因に分解することで、それぞれ具体的に何をしたらいいかがわかりやすくなる。
ここまでは「客数」の説明だったが、「客単価」のほうも考え方は同じだ。
たとえば、客単価を「平均単価」と「買上点数」に分ける。
すると、1品あたりの金額を見直したり、もっと多くの点数を買ってもらえるよう、棚に置く商品の陳列を工夫したり、レジ脇に魅力的な商品を置いたりする施策を考えられるようになる。
『会計の地図』という本では、「売上」から始まり「のれん」に至るまで、会計でもっとも重要な15の概念を、「すべてつなげて」図解で説明している。
「会計」に苦手意識がある人、これまで会計の入門書に挫折してしまった人にこそ、ご覧いただけたらうれしい。